女帝誕生　　通過儀礼

2025年11月5日 高野育郎 - グループアム代表 -
党内における総裁の座を射止めた女帝は，次の通過儀礼である国会における首班指名で首班、すなわち総理大臣の指名を受けなければならない。
現有勢力は不自由党の現有議席196、連携する暗明党の議席数24を合計しても220議席、衆議院議員総数465の過半数をとるためには、13議席が足りない計算である。
仮に諸派12の議席すべてをとっても、まだ4議席が足りない状況である。
また暗明党は女帝に対し，良い感情を持っていないことは、総裁選の期間中においても党内選挙に干渉しようとする発言からも読みとれていた。

しかしそれでも下駄の雪と揶揄されても国交省の利権は手放したくはない暗明党は，必ず不自由党にくっついてくると見られていた。ましてや不自由党の長老の落選，世襲失敗，続く衆院選でボルサリーノ閣下が嫌う問題児たちの落選。この状況で暗明党にとっては，うるさいのがいなくなって公共工事利権を完全掌握できるところまできていた。

いくら算数が苦手でも下駄の雪が離れることはないものと誰もが思っていた。しかし、ここで誤算が生じる。誤算の発端は前日の国会内で起きた暗明党に絶大な影響力を持つC国の大使が，あろうことか国会に押しかけてきた。暗明党党首，再東ブリキ男に不自由党に無理難題を飲ませることをそそのかしたのであった。

再東ブリキ男は不自由党に無理難題を押しつけることで，女帝への牽制，屈服を引き出せると考えた。しかし，女帝は極めて常識的に自分の持つ権限の範疇を超える要求は飲めないと突っぱねた。これは間違いなくブリキ男にとっては誤算であった。引っ込みのつかないブリキ男は連立の離脱をせざるを得ない状況に自らを追い込むこととなった。

巷の男女の別ればなしにも例えられるような，お粗末な政権離脱劇であった。暗明党様，ご愁傷様でした。
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