現代版粗忽長屋

2025年5月31日 高野育郎 - グループアム代表 -
石破内閣を見るにつけ古典落語の粗忽長屋を思い出す。江戸落語の定番の一つ。いわゆる滑稽話と言われるストーリーである。

浅草寺前で行き倒れの死体を自分の知り合いと勘違いした長屋の住人がその知り合いに「お前,浅草寺の前で死んでたぞ」と本人に伝えるところから騒動が始まる話である。

粗忽者が集まる粗忽者同士が繰り広げる誤解と早とちりが面白おかしく笑えるお話の一席。

考えて見るに石破内閣も間違えて総理大臣になってしまった粗忽者の大いなる勘違いから始まってしまったような気がする。
思慮不足でてんやわんやする様は登場人物たちの厚顔無恥,無責任なやり取りなど現代版粗忽長屋と言えるのではないだろうか。

長屋の連中からしたら,俺たちはここまで粗忽じゃねぇーよ。
といわれそうでもある。

実際には日本にとっては実に深刻な問題なのであるが、もうどこから手を付けていいのかもわからないほどのカオスの状況に陥っていて笑うに笑えない。

今までなら内閣総辞職なり解散なり,選手交代が行われてきたが,我こそはという気概も気骨もある者なし。
負の遺産を引き継ぐ者は皆無の状態。
私利私欲,金と利権、そして次の選挙に受かるためだけに右往左往している醜い政治屋どもが永田町に巣食っている。

また政治屋が無能であればあるほど自分たちの権勢を維持出来ると考える役人どもは,白痴に近い政治屋を都合よく使っている。
それを見ている国民は半ば呆れて,なすすべもない。

今後,現れる歴史家は日本という国家の滅亡がいかにしてなされたのかを分析し記憶に留めていくことになるのだろう。あるいは、粗忽日本という笑い話として,後世の人々に語り継がれていくのだろう。
pagetop