いま、そこにある危機

2023年3月25日 高野育郎 - グループアム代表 -
滅多に乗らない地下鉄で、列車が停止線をオーバーした。
アナウンスが流れ、正しい停止線の位置まで列車はバックした。
ただ、停止線を列車がオーバーしただけの一連の流れ。
これまでに経験したことのない小事ゆえに胸騒ぎをおぼえた。
春の珍事ですればそれだけのことだが、これからの春から夏に、あらゆる人為的な事故が押し寄せてくる予感がする。

日本人は安易、簡便な生活に慣れすぎた。生活の中でなにかちょっとした変化に気が付かなくなった。
危機の芽は育つ。
列車は脱線し、転覆する。逆走する車は日常化し、交差点内での衝突事故が増える。自転車は人をはね、高速道路ではトラックから荷が崩れ、多重事故を誘発。工事現場のクレーンは倒れ、足場は崩落する。自衛隊員の銃火器は暴発し、警察官は交番内で自殺する。
そして、子供達が受難の対象になる。車中に幼児は忘れ去られ熱中死。プールで溺れ、海で流される。花火工場爆発。工場の有害薬品は街に流れ出す。

アルバイトが仕事をまかされ、日常のちょっとした違和感に気を止めなくなった日本人に、これからあまたの厄災が降り注ぐ。

CAUTION! CAUTION!
pagetop