2025年11月23日 防衛費増額、安保3文書改定議論
自民党は防衛費の対GDP比2%超えの増額や外交安全保障政策に関する基本方針「国家安全保障戦略」安全保障に関する3文書前倒し改定に向けた議論を開始した。安全保障調査会と国防部会の合同会議で2022年に閣議決定された安保3文書の改定をめぐり政府側から説明がでた。
2027年度に防衛費をGDP比2%超えに増額の数値目標が記されている。高市首相は補正予算と合わせて、今年度中に前倒しで目標達成の方針を示している。
トランプ大統領と10月に会談した際には「主体的に防衛力の抜本的な強化と防衛費増額に取り組む」と伝えている。トランプ大統領からはGDP比3.5%の増額との要望が出ているらしいが、自民党は国家安全保障戦略でGDP比2%超えで議論するようだ。
自民党安保調査会長で元防衛相の小野寺議員は「必要なものを積み上げていく、金額ありきで議論することではない」と記者団に語った。今後は3文書前倒し改定と防衛装備移転三原則の運用指針で輸出する防衛装備品を「救難、輸送、警戒、監視、掃海」に限定目的とした「5類型」の撤廃も議論テーマになる。
自民党と日本維新の会の連立合意書では3文書の前倒し改定と次期通常国会中の「5類型」撤廃も明記されている。国家安全保障戦略は非核三原則を堅持する基本方針は変わらないとしているが、高市首相は非核三原則の堅持の引継ぎの質問に対しては「私から申し上げる段階ではない」と明言は避けた。
この様な方針の背景にはトランプ政権の強い要請がある。政府・与党内ではGDP比3.5%に向けた議論が進むのではないか。問題は大幅増に対する財源確保だ。国民生活に支障をきたさずに達成できるのだろうか。そこで政権としては国内の防衛産業の強化を成長戦略と捉え、武器輸出の拡大にもつなげていくのだろう。
「非核三原則」は1967年当時の佐藤栄作首相が「核を持たず、作らず。持ち込ませず」の答弁を基に国会決議で「国是」とされてきた。有権者が選んだ政権ではあるが、国民は大きなパラダイムシフトが起きている事に真剣に向き合っていく必要がる。

