2025年3月3日 アメリカとの会談決裂
アメリカ・トランプ大統領とホワイトハウスにて会談に臨んだウクライナ・ゼレンスキー大統領であったが、メディアを前にして激しく口論する姿が映し出された。その後予定されていたウクライナの地下資源に関する協定の署名や共同記者会見は中止された。
ゼレンスキー大統領としては最大の支援国であるアメリカとの関係が悪くなれば窮地に追い込まれる。将来のウクライナの安全保障に関しての担保に強い想いを持って臨んだのだが気負い過ぎたのか。当初は和やかな感じで始まった会談でトランプ大統領もウクライナに対しての武器供与も継続していく考えを示していた。バンス副大統領と外交についてのやりとりの中で、ゼレンスキー大統領が2014年のロシアによるクリミヤ半島併合の話を持ち出し、トランプ氏を含む歴代大統領がプーチン大統領を止められなったと発言した。
その発言にアメリカ副大統領バンス氏は「アメリカメディアの前でこの様な主張をする為に大統領執務室に来るのは失礼で、トランプ大統領に感謝すべきだ」と口論になった。ゼレンスキー氏は更に追い打ちをかけるように「戦時中には全ての人間が問題を抱える。あなた方も将来的には感じるはずだ」と返した。
その発言にトランプ氏が加わり「あなたはそれを知り得ない。私達を指図する立場にない、カード遊びをしている。第三次世界大戦で賭けている」大統領1期目には対戦車ミサイルを与えた。感謝すべきであると強い口調で返した。
トランプ大統領は会談後、「彼は強気に出すきたと語り、SNSには彼は和平の準備が出来ていないと判断した」と投稿している。
ゼレンスキー氏もその後のニュース番組に出演してトランプ大統領への謝罪が必要かとの問いかけには「NO」と答えている。アメリカ側政権は今後のミサイルや砲弾の提供も含め、軍事支援自体の停止も検討しているようだ。いずれにしても最大支援国との関係は最悪の結果になった。
今回の状況で同盟国日本側が読み解く必要は、トランプ大統領のパーソナリティより、アメリカ自体がパックスアメリカーナ時代から、グローバリズムの変遷により権威主義国の台頭が始まり、アメリカが絶対的リーダーではなくなったことだろう。自国の安全保障はは自身で責任を持たなければならない時代変化であろう。