2023年7月6日 米の中国人に対する土地取得制限

アメリカ各州で中国人による土地購入を制限しようとする動きが高まっている。全米で35州がアメリカ国籍以外の外国人の土地取得を制限する法案が提出された。外国人となっているが、中国人をターゲットにした規制も増えてきている。引き金になったのは米軍基地周辺の中国企業進出であった。21年には基地周辺に於ける基幹インフラに関する契約は北朝鮮、中国、イラン、ロシアを対象に禁止する法案がテキサス州で可決された。

アメリカでは敵対する国に対しては、スパイ防止と安全保障の観点から土地取得に関して脅威と位置つけている。一方中国人側も反発が強く、23年にフロリダ州で成立した法律に対して違憲だと提訴している。在米中国人団体なども抗議デモを繰り広げている。アメリカ政府の発表では国内で外国人所有の内の中国人が占める割合は0.9%との事である。この数値比率に中国人側は実際にはそんなに多くなく、大げさな誇張があると反発している。

日本国内に於いても昨年、安全保障上重要な防衛施設や国境を挟む離島を対象に土地利用規制法が施行され「注視区域」「特別注視区域」が指定された。国内では約600カ所が候補になっている。記憶に新しいところでは、沖縄の無人島(屋那覇島)の一部が中国企業により買収されており、松野官房長官は土地利用規制法の対象地域ではないが、今後の動向を注視していくと会見で述べている。一方、反原発、反基地団体に対する恣意的運用を懸念すする声も上がっている。

視点を商業地や住宅地に目を向けて、主に外国人を客層に都内で不動産業を営む方に取材すると、円安の影響もあり土地建物、マンション投資の依頼は増えていて特に中華系の方々の購買欲はかなり増しているとの事。かつてバブル期、日本でもマンション等を図面のみで内見無しに買付けを入れ、契約してる姿は散見したが、その様な状態もあるとの事であった。中国は基より、殆どのアジア諸国は日本人が直接土地購入は出来ないし、集合住宅等に於いても制限を設けているのが殆どである。日本も安全保障上の対象にとどまらずに、何らかの規制をかけても、アンフェアにはならないと思うのだが。

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