2023年6月25日 解散風と法案成立
岸田内閣に対する内閣不信任案が立憲民主党より提出され16日の衆議院本会議に於いて、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などにより否決された。立憲民主党の趣旨弁明は政権側の幹部による解散風を助長させ地方自治体をはじめ政治、行政、経済に混乱を招く様な解散を安易に扱った事への批判であった。
岸田首相は内閣不信任案否決をうけて、少子化対策や経済財政運営及び改革の基本方針「骨太の方針」をしっかりと実行していくと発言した。今年度より5年間で43兆円程の防衛費のうち追加分の財源確保として、国有財産の売却などの資金をプールしておける「防衛力強化資金」の新設などだ。
閣議決定された「骨太の方針」は少子化対策をはじめ、防衛費増額の為の増税開始時期など歳出増の内容になる。だが財源の部分は確たる情報は乏しいのが現実だ。今後の財政規律が守られるかが課題であろう。特に防衛増税の開始に関しては(2025年以降のしかるべき時期とすることも可能になる様、取り組みの状況を踏まえ柔軟に判断する)との事だ。
特別会計から24年度に1兆円を追加で確保し後ろ倒しで検討との事であろう。異次元と表現した少子化対策は(こども未来戦略方針)によると24年度からの3年間で児童手当の拡充、医療費の負担軽減などが明記されている。28年度までに年間3兆5千億円を予定しているとのことである。
LGBT法案に関しては維新や国民民主案の「ジェンダーアイディンティティー」を取り入れて、自治体などに性的少数者への理解をひろめる取り組みを求めていく。採決のさい、折衷案に対して一部自民党議員が退席する場面もあった。今後、自治体や各企業も対応に苦慮する事が予想される。
様々な歳出事案に対する安定的財源確保に関しては、歳出改革などにより国民に実質的追加負担は求めないとの事であるが、具体案は年末まで先送りになっている。こども子育て予算倍増に関しても2030年までに目指すとし、財源は社会全体でどう支えるか検討するとの事である。たとえ選挙には不利であっても負担に関して国民に提示して選択を促すことに未来があり、有権者側も見抜く力をつけることが肝要に思う。