2014年2月1日 読売 社説「衆院代表質問」「『責任野党』の中身が問われる」
「大連立」 読売の社説に「衆院代表質問」「『責任野党』の中身が問われる」が書かれている。
「政策ごとに是々非々で臨むのか、政権への対決姿勢を貫くのか。野党の路線の違いが明確になってきたと言えよう。
安倍首相の施政方針演説に対する代表質問が始まった。日本維新の会の松野頼久幹事長代行は『責任野党として、外交・安保、憲法改正については協力するが、内政は対立軸を明確にして徹底議論する』と主張した。これは、首相が演説で、『政策の実現を目指す責任野党とは真摯に政策協議を行う』と呼びかけたことに呼応したものだ。
首相はすでに、みんなの党の渡辺代表と、安全保障政策や経済対策に関する戦略対話を行うことで一致している。
維新の会、みんなの両党は昨年の臨時国会で、特定秘密保護法の修正で与党と合意した。与党との議論によって法案をより良く仕上げることも野党の責務である。
政府・与党もいかに野党と協力関係を築くかが問われよう。集団的自衛権の行使を可能にするよう憲法解釈を改めて問題は、一つの試金石となる。
松野氏は『国際情勢の変化に合わせて見直すべきだ』と述べ、議論に応じる姿勢を示した。与野党の建設的な議論を期待したい。
一方、民主党の海江田代表は質問で、『安倍首相と真正面から対峙』すると、対決姿勢を鮮明にした。『すり寄ってくる野党は良い野党、批判する野党は悪い野党と言いたいのか』とも語った。
みんなの党を念頭に置いたものだろう。そんな認識では、野党共闘を築くのは難しい。海江田氏の対応で疑問なのは、『国民が顧みない政策』に民主党の対案を提示すると言いながら、一向に実行しないことである。
経済政策『アベノミクス』について『燃料費や原材料費の高騰など、国民生活を圧迫しつつある』と批判するが、では、民主党にデフレ脱却への妙案はあるのか。海江田氏は「雇用の安定によって消費を拡大することが経済成長の本道」と言う。それなら具体策を明らかにしてもらいたい。原子力発電所の問題については、安倍政権のエネルギー政策があいまいだとして、『将来的に脱原発を目指すのか、そうではないのか』とただした。首相が『そう簡単に原発はもうやめたというわけにはいかない』と答えたのはもっともである。民主党こそ、安価な電力の安定供給の重要性、脱原発による経済や環境への悪影響などを踏まえた現実的な政策を示すべきだ」。
民主党の海江田代表は、代表質問で、「安倍首相と真正面から対峙する」と対決姿勢を鮮明にした。一方、安倍首相は、「責任野党」を呼びかけて、野党分断を狙う。集団的自衛権行使容認のために、である。その法整備のタイムリミットが、14年末であることから逆算して、集団的自衛権行使容認の閣議決定は、今回の国会会期中となる。
問題は、公明党の慎重姿勢である。党是である「平和主義」に反するからだ。そこで、安倍首相の「責任野党」論である。集団的自衛権行使容認のみんなの党、日本維新の会との大連立である。公明党をけん制し、与党にとどませるのが狙いである。最後は、公明党が譲歩して、公明党を含んだ大連立となるが。公明党も最後は下駄の雪になる。