2022年5月12日 アメリカ40年ぶりのインフレ

インフレ状態のアメリカ経済を正常化する為、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融引き締めを決定した。
ウクライナ情勢も相まって、先進国の金融政策転換は世界経済に対して影響は大きいであろう。アメリカ国内に於いても特に都市部では住宅価格の高騰や食料品の値上げなど特に中間層以下に多大な影響が出ているようだ。
益々、格差社会が助長され治安悪化も懸念される。インフレ抑制の為、異例の金融引き締めをしたアメリカの影響は我国はじめ新興国にも如実に表れ始めている。コロナ禍に於いて世界的に株価が急落した2020年の市場時や2008年リーマンショック時の金利政策後の影響が思いだされる。

2015年の利上げ時に於いては中国経済の減速も相まって新興国通貨に大きな影響が出た。アメリカが利上げすれば、キャリートレードとして米ドルを買い新興国通貨が売られる当然の動きが始まり、新興国通貨の不安が高まると株式、債券からの資金流出を止まらない悪循環がおこる。
こうしたなか、今回はロシア・ウクライナ情勢が加わり特に地政学的リスクを抱える国は心配だ。ロシア・ウクライナからのエネルギー、食糧依存が高いトルコなどは価格高騰が続き、通貨リラは対米ドルで4割以上下落した。
ポーランド・ハンガリー・カザフスタンなども例外ではない。米国の更なる引き締め次第では更に下落がありうるであろう。
同盟国の日本に於いても、懸念されるのは急激な円安だ。アメリカの様な利上げは出来ずらい日本は金利を低く抑えて経済を支える政策しかやりようが無いであろう。日本銀行は4月末に金利上昇を抑え込む「指値オペ」の強攻策を決定。当面、超低金利政策を変えるつもりは無いようだ。変えられないと言うのが本音であると思う。

先日は20年ぶりの131円台を割り込んで更なる下落も予想される。更に原油価格の高騰、輸入食料品等の値上げラッシュで企業、家計にとってはマイナス面が目立つ。まだ終息していないコロナ禍で落ち込んだ経済の回復に水を差す状況だ。先進国の中で日本はなぜここまで回復が遅れているのか、日本は既に豊かな国では無いのではと、俯瞰した目で国民一人一人が思考シフトしていく必要があると思う。

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