産経の「主張」に「緊急経済対策」「大胆な現金給付が必要だ」が書かれている。
「安倍晋三首相は28日に会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策について、リーマン・ショック時を上回る大規模なものとする意向を表明した。
対策の柱として、感染拡大によって収入が減少し、生活が苦しくなる恐れのある世帯などに対し現金給付を行う考えを示した。『ターゲットを置いて思い切った給付を行う』と述べ、支給対象を絞り込むとした。
その後の対策本部で、緊急対策を実行するため、令和2年度補正予算案の編成を指示した。10日程度でまとめて国会に提出する。
日本経済は、新型ウイルスの地球規模での広がりや国内での自粛などが響き、人とモノの流れがパタリと止まるなど甚大な被害を受けている。景気の急速な悪化は明らかであり、財政と税制、金融などを総動員し、かつてない規模の対策とすべきなのは当然だ。
対策の中身を迅速に実行できるよう全力を挙げてもらいたい。
首相は、緊急経済対策について『国税、地方税の減免、金融措置も含めたかつてない強大な政策パッケージを練り上げ、実行に移す』と述べた。
そのうえで中小・小規模事業者の事業継続や日々の生活不安を解消するため現金給付などを行う考えを示した。
ただ、現金給付についてターゲットを絞り込むことは効果を減じる恐れがないか。また金額を示さなかったが、前例にとらわれず、極めて大胆なものにしなければ意味がない。
消費税率引き下げについては『効果がなければならない。即効性があるものがいい』と述べ、慎重な考えを示したが、選択肢の一つとしては残しておくべきだ。
当面、自粛が続く以上、いきなり需要を喚起する施策を打ち出しても効果は薄い。感染拡大がある程度抑制された段階で、短期集中的に大きな需要喚起策を講じる二段構えで臨むのは妥当である。
その中で観光や運輸、飲食、イベントなど甚大な影響を受けている業種の需要を高めるための施策を講じてもらいたい。
週末や夜間の外出自粛を呼びかけている東京都では28日、これまでで最多の感染者を確認した。極めて深刻な事態だ。首相は『最悪の事態を想定して感染拡大防止に全力を尽くす』と語った。全国民の協力が必要である」。
政府は現金給付を来月まとめる緊急経済対策の軸として打ち出す方針だが、給付対象を絞る案が出ているが、財務省主導の案である。麻生太郎財務相の言うリーマン時の現金給付の多くが貯蓄に回ったから効果なしとの見方からである。
問題は、現金給付をもって大きな効果を上げるには、スピード感が最優先されるべきだからである。リーマン時の現金給付は1人当たり1万2千円であったが、国民に届くまで2カ月もかっているからである。米国の現金給付は2週間で届くのに、である。小切手方式である。コロナショック前からGDPの6割を占める個人消費が消費増税によって低迷中であったのだから、5%分の消費税の還元としての1人当たり10万円の現金給付を、小切手方式でとなる。財務省は抵抗するが、非常時だからこそ、安倍晋三首相主導で押し切るべきである。給付対象を絞るのと時間がかかるから全所帯を対象に素早くである。