2018年12月1日 朝日「日産ゴーン会長逮捕」「報酬50億円過少記載容疑』東京地検特捜部司法取引適用」
朝日に「日産ゴーン会長逮捕」「報酬50億円過少記載容疑』東京地検特捜部司法取引適用」が書かれている。
「東京地検特捜部が19日、日産自動車(本社・横浜市)の代表取締役会長カルロス・ゴーン容疑者(64)と同代表取締役グレック・ケリー容疑者(62)を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕し、発表した。両容疑者はゴーン会長の報酬を約50億円少なく有価証券報告書に記載した疑いがある。特捜部は認否を明らかにしていない。特捜部は同日夕、日産の本社など関係先を模索した。押収した資料などの解析を進める。
≪代表取締役と共謀≫
関係者によると、ゴーン会長に対する捜査を巡っては、捜査に協力する見返りに刑事処分を軽減する司法取引制度が適用された。同社の社員がゴーン会長の不正について捜査に協力したとみられる。同制度は今年6月に始まり、適用は2例目になるとみられる。
特捜部の発表によると、ゴーン会長とケリー代表取締役の2人は共謀のうえ、2010~14年度の5年度分の有価証券報告書に、実際はゴーン会長の報酬が計約99億9800万円だったにもかかわらず、計約49億8700万円と過少に記載した疑いがある。
同社の有価証券報告書によると、逮捕容疑の対象となった10年度のゴーン会長の報酬額は9億8200万円だった。同様に、11年度は9億8700万円、12年度は9億9800万円、13年度は9億9500万円、14年度は10億3500万円とそれぞれ記載されている。
その後、15年度は10億7100万円、16年度は10億9800万円と記され、17年度は7億3500万円で4年ぶりに10億円を下回った。17年4月に社長兼最高経営責任者(CEO)を退いて会長のみにとどまったため、大きく報酬が減った。
金融商品取引法は、有価証券報告書に重要事項について、うその記載をした場合に刑事罰を科している。法定刑は10年以下の懲役か1千万以下の罰金だ。業務に関する違反行為に対して法人も罰する両罰規定が適用されれば法人にも7億円以下の罰金が科される。
≪解職22日に提案へ、日産『重大不正3つ確認』≫
日産自動車は19日、カルロス・ゴーン容疑者の会長と代表取締役の職を速やかに解くことを、22日の臨時取締役会に提案すると発表した。代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者の解職も提案する。取締役としての善管注意義務に違反する両容疑者の重大な不正行為を確認したためとしている。
西川広人社長は19日夜、横浜市の本社で開いた会見で、ゴーン会長の不正行為について大きく3点あると指摘。役員報酬の過少記載、目的を偽った投資資金の支出、私的な目的での会社の経費の不正使用を挙げた。こうした不正に、ケリー代表取締役が深く関与していることも分かったという。
西川氏は、ゴーン会長に経営の機能が集中していたことが不正の背景にあったと指摘。『株主、関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけし、会社を代表して深くお詫びしたい』と謝罪した。
日産によると、内部通報を受けて数カ月間にわたり、両容疑者の不正行為について内部調査をしてきた。その結果、開示されるゴーン会長の報酬額を少なくするため、両容疑者が長年にわたって実際の報酬額より少ない金額を有価証券報告書に記載していたことが判明したという。
日産は検察当局に情報を提供し、捜査に全面的協力してきたと説明。引き続き捜査に協力するという。日産は仏ルノー、三菱自動車と資本関係にあるが、西川氏は『パートナー関係に影響を与える事案ではない』として、提携関係を継続させる意向を示した」
東京地検特捜部は19日、日産自動車の代表取締役会長のカルロス・ゴーン容疑者を金融商品取引法違反の疑いで逮捕したが、有罪必至である。司法取引制度適用の2例目であり、内部通報を受けての検察との連携による内部調査の結果としての逮捕だからである。問題は、何故今なのか、である。ルノーの筆頭株主はフランス政府であり、マクロン大統領は国内の雇用創出のためルノーに対して日産との合併を働きかけ、露骨に経営介入してきた矢先でのことである。ゴーン氏は反対であったから、フランス政府が逮捕劇の背後にいるとの説があるが。