2013年8月26日

日経の「自民1強」「政界、秋の陣へ」②に、「集団的自衛権、公明と距離」「石破氏,橋渡しに動く」が書かれている。

「安倍政権の重要課題で与党の大きな火種になるのが集団的自衛権の行使を巡る問題だ。安倍晋三首相は歴代政権が『憲法上、認められない』としてきた政府解釈の変更に積極的だが、公明党の山口那津男代表らは慎重姿勢を鮮明にしている。

『どういう結果をもたらすか、冷静に、慎重に考えないといけない』。炎天下の15日、JR池袋駅前。公明党の山口代表は、集団的自衛権の行使容認に改めてクギを刺した。終戦記念日の街頭演説は同党の毎年の恒例行事。『平和の党』を訴える重要な場で、代表自ら首相をけん制する言葉を選んだ意味は大きい。

山口氏は首相に直言もしている。8日夜、首相が公明党幹部を公邸に招いた懇親会では、宴席にもかかわらず『政策の優先順位を踏まえて取り組んでいきましょう』と呼びかけた。

山口氏は『外交面で政権を補完したい』と訴え、9月上旬に公明党トップとして10年ぶりに米国を訪問する。ある幹部は『米政府高官や議会指導部から<米国は中韓を刺激する集団的自衛権の行使容認には慎重>というニュアンスを引き出したい』と狙いを語る。

公明党が懸念を深めるのは、行使容認が党の屋台骨を揺るがす大転換だからだ。支持母体の創価学会は容認に反対で、党も慎重論を唱えてきた。

自民党で衝突回避に動いているのは石破茂幹事長だ。石破氏は昨年9月に幹事長になった後、衆院選、都議選、参院選と立て続けに大きな選挙を仕切り、公明党や創価学会の選挙協力の重みを実感した。

『公明党を巻き込んだ議論が必要だ』。7日、石破氏は首相を訪ね、集団的自衛権をめぐる公明党との幹部協議の開始を確認した。自身は公明党の井上義久幹事長らとの連絡を欠かさない。石破氏も集団的自衛権の行使容認にはこだわりがある。かつて周囲に『容認されるなら首相にならなくてもいい』と漏らしたこともある。

一方で行使は憲法解釈の変更だけでなく『<国家安全保障基本法>の制定が必要だ』とも指摘してきた。昨年の総裁選で敗れて以来、石破氏は安倍首相を支え続けてきた。ただ支持グループには『再来年の総裁選に向けて自己主張すべきだ』との不満がくすぶる。自民党内でも『集団的自衛権は急ぐべきではない』(参院幹部)との声が上がり始めている。首相が早期の結論に突き進めば、与党内のあつれきは確実に増す。石破氏が担う責任は大きい」。

集団的自衛権行使容認は、安倍政権の喫緊の政治課題であり、3年後への先送りは許されない。公明党は「連立離脱」を武器にけん制するが、「維新」と連携してでも、押し切る以外にないが。公明党は、最後には、「げたの雪」となる

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