久しぶりの米中首脳会談

2026年5月20日 高野育郎 - グループアム代表 -
2026年5月14、15日の両日、米国トランプ大統領と中国習近平主席が、北京において首脳会談を執り行った。2017年から9年ぶりの首脳会談である。首脳会談の大きなテーマは、地政学における中近東の不安定化、台湾問題、経済における貿易の不均衡、レアアース問題である。特に中近東の不安定化によるホルムズ海峡問題は、アジア全体のエネルギー供給の問題であり、特に中国にとっては解決の急がれる問題である。様々な懸案のある中、首脳会談は開かれたわけであるが、米国側の訪問団は、米国経済のトップ企業のCEOの勢ぞろいであった。余談であるが、絶対に自社製品のセキュリティーを破る事はできないと自慢していたApple社のティム・クックが中国国内にスマートフォンを持ち込めなかったのは皮肉であった。会談の成果については、様々な見解があるが、概ね反米、反トランプのメディアは中国に軍配を上げ、保守的なメディアは米国に軍配を挙げている。

実際のところトランプはボーイングの飛行機を200機契約したとされるが、ボーイングの株価を見る限り、市場はもっと多くのディールを期待していたようで、会見発表後、ボーイングの株価は下がった。しかしトランプにとっての最大関心事である11月の中間選挙に対しては、米国中央部の穀倉地帯の票田に対して、大豆の対中輸出を勝ち取ったことで得点はできた。半導体についても高性能のものについては輸出をさせないが、ある程度の性能のものについては輸出を認める方向である。

一説には密輸によって中国側に渡っている。半導体の実態がつかめないため、輸出を許すことで、どの程度の半導体が渡っているかを把握し、中国国内の開発状況をコントロールする方針に転換したと言われている。非常に表面上はなごやかな雰囲気で、会談は終わったように見える。しかし、大統領一行が中国を離れる際、大統領の中に中国から贈られた品物、到着時に配布した。中国国内でのみ使用するための電子機器、通信機器など中国国内で使用したすべてのものを大統領機に持ち込む事は禁止され、すべてゴミ箱に捨てられた。通常、受けとったものを捨てていくのは礼に失するが、あえて捨てていくことをメディアに見せたことが、米国と中国の関係性を表していると言って良い。
やるねー。
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