トランプのミスジャッジ

2026年3月6日 高野育郎 - グループアム代表 -
3月1日、イスラエルと米国がイランのテヘランを始めとする主要都市、軍事施設への攻撃を開始したと言うニュースが飛び込んできた。
イランの宗教的指導者ハメネイを始めとするトップ、革命、防衛隊の高官など48名を抹殺した。さらに数日後には、次の宗教指導者を決めるために集まった40名余りを抹殺した。戦争しない大統領としてのトランプは終わり、戦争をする大統領の仲間入りである。なぜこのような大転換をトランプが決断したのかだろうか。

まずトランプのハメネイに対する発言は、昨年6月にあった。その際、イスラエルに対し、宗教指導者ハメネイを暗殺する事は許さない旨の発言をしている。なぜなら、イランの中における元凶は、宗教指導者ではなく、革命防衛隊であるとの見解からである。従って、革命、防衛隊の排除に関しては、容認する姿勢であるが、体制転覆そのものは次の段階であった。実際にその後も革命防衛隊、核開発者などの暗殺は行われてきた。

戦争の基本として、その国の体制が崩れかかっている時、政権内部に協力するあるいは、政権を引き継ぐ能力のあるものがいる場合、トップを排除する事はある。しかし、次の政権が予見できない場合、指導者を排除するより、大きな混乱を招くとして、けして得策とは言えない。ましてや序列の上位者を複数抹殺すれば混乱を招くだけである。イランには皇太子がいるとの反論があるかもしれないが、残念ながら彼のイラン国民からの支持は全くないと言って良い。

なぜなら、出国してからイランには1度も足を踏み入れていない。そもそも国王であった。パーレビも英国とアメリカが体制転覆した後の傀儡政権であったからである。この機会に夢をもう一度と妄想しているに過ぎない。
歴史から見たとき、米国と英国の身勝手をこれほどわかりやすく表している例は無い。都合が悪くなると体制を叩き潰し,傀儡をたて、民衆に蜂起されまた政権転覆の繰り返し。苦しむのはそこに住む人々。地獄である。

極めて下品で野卑で単純なことで人気のあったトランプ。彼の取柄は株価と失業率、そして暴力と戦争を嫌うことであったはずである。得意のディールと称されるお金儲けは辻褄が合わなくなりそうである。
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