2015年4月6日 産経「新聞に喝!」 伊豆村房一氏「世界の関心はアベノミクスの行方」

産経の「新聞に喝!」に、伊豆村房一氏が「世界の関心はアベノミクスの行方」を書いている。

「安倍晋三首相は4月下旬から米国を訪問、日本の首相として初めて米議会上下両院合同会議で演説する。日本の首相が米議会で演説するのは、1961(昭和36)年に池田勇人首相が下院で演説して以来54年ぶり。両院合同会議では初めてだ。戦後70年の節目に米議会で首相が演説するのは極めて意義深い。

この安倍首相の米議会演説について、産経は『戦後70年、日本が自由と民主主義の価値観を重視する平和国家として歩んできたことを強調し、これからも積極的平和主義を掲げて責任を果たすことを堂々と語ってもらいたい』と期待を込めている(3月26日付主張)。

2年前の5月8日、韓国の朴槿恵大統領がやはり上下両院合同会議で演説した。その演説で朴大統領は『歴史に正しい認識を持てなければ明日はない』と述べ、日本を名指しこそしなかったものの、北東アジアでは歴史・領土問題で周辺国と日本との対立が深刻なことを印象づけた。

米議会の一部には、在米韓国系団体による歴史問題を絡めた反日宣伝があり、それに影響され、反日感情が醸成されたフシがある。現に、今回の安倍演説が決まる前から韓国系団体は署名活動などを行い、安倍首相に演説をさせないよう議会に圧力をかけたほどである。米議会における反日宣伝は韓国だけではない。中国も歴史・領土問題を絡めた反日宣伝を強めている。

こうした中韓両国による執拗な対日批判を和らげ、反日宣伝がいかにいわれなきものであるかという認識を米議会に浸透させるのに、安倍首相の演説がどれだけ説得力を発揮できるか。日本はアジア諸国との信頼関係を築くためにこれまで懸命に努力を重ねてきた。その努力をこれからも貫き、よりよい未来を切り開いてゆくという強い姿勢を示す。そういう未来志向の熱意は首相の議会演説によって伝わる可能性はある。

もっとも、米国はじめ世界の関心は歴史問題よりも安倍政権が進めている日米同盟の強化、デフレ脱却をめざすアベノミクスの行方にあるのではないが、日本の一部新聞は歴史問題にこだわり過ぎだ。強固な日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定に寄与する。集団的自衛権行使容認、安保法制整備はそのステップとなる。アベノミクスに対して野党は手も足も出ない。日本経済再生の代案もなく、希望より不安をあおるだけの体たらくだ。かくて第3の矢の厳しい改革を推進する余地も生まれる。

新聞はそういう日本のあるべき方向、政策のかじ取りをしっかり踏まえた報道をすべきだ。歴史問題にこだわり過ぎる報道はこれからの日本の国益にそぐわない」。

「歴史問題にこだわり過ぎる報道はこれからの日本の国益にそぐわない」は、正論である。「米国はじめ世界の関心は歴史問題よりも安倍政権が進めている日米同盟強化、デフレ脱却を目指すアベノミクスの行方にあるから」だ。中国共産党主導の「歴史戦」の罠にはまってはならない。

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