2015年3月11日 読売「ブッシュ、ウォーカ―氏先行」「米大統領選共和党候補、不法移民問題で対立」

読売に「ブッシュ、ウォーカ―氏先行」「米大統領選共和党候補、不法移民問題で対立」が書かれている。

「2016年米大統領選で、共和党指名候補争いを巡る序盤戦の構図が定まってきた。穏健派のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事と保守派のスコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事が現時点で『2強』を形成し、これを6人の有力候補が追う展開だ。(アイオワ州デモイン 今井隆)

民主、共和両党の候補者選びは来年1月か2月に開催されるアイオワ州党員集会で幕を開ける。人口300万人、全米人口の1%足らずの農業州だが、毎回最初の党員集会が行われるため、有力候補は足しげく通うのが通例だ。7日、州都デモインでは共和党支持者による集会が開かれ、会場の農業用倉庫に、有力政治家が次々登場した。

ブッシュ氏『不法移民が長い時間をかけて法的滞在資格を得る。これが唯一の真剣かつ思慮深い方法だ』

ウォーカー氏『不法移民へ恩赦(潜在資格)を与えていいとは思わないし、その支持者でもない』

会場を埋めた約1000人の関心は、米国に1100万人いる不法移民への対処に集まった。貴重な労働力なのか、厄介者なのか――。ブッシュ氏とウォーカー氏の主張は、真っ向から対立した。共和党にとって、移民制度改革反対は『反オバマ』の象徴であり、候補者を『保守派』と『穏健派』に分類する指標の一つだ。

ブッシュ氏は不法移民に寛容な信条を曲げようとせず、保守派の不興を買っている。支持基盤が競合する12年の党候補、ロムニー元マサチューセッツ州知事の不出馬で本命に躍り出るとの見方もあったが、不法移民を巡る主張が影響してか、伸び悩む。ただ、予備選を勝ち抜けば、本選で党の弱点であるヒスパニック(中南米系)票の取り込みも期待できる。

ブッシュ氏が支持拡大のため訴えるのが、外交・安全保障面での積極姿勢だ。前大統領の兄が開戦したイラク戦争の泥沼化を契機に米国民は内向き志向に陥っていたが、イスラム過激派組織『イスラム国』の伸長やロシアのクリミア半島併合で風向きは変わり、共和党支持者はオバマ政権の『弱腰』にいら立っている。ブッシュ氏はこの日、キューバを『独裁国家であり、北朝鮮と同列だ』とやり玉にあげた。

ウォーカー氏は、保守派の中でも『勝てる候補』と目されている。大胆な歳出削減で州財政を立て直し、民主党が大統領選7連勝中のウィスコンシン州で知事選を勝ち抜いてきた辣腕に期待が高まる。マイク・ハッカビー元アーカンソー州知事ら同じ保守派は、ウォーカー氏に押され気味だ」。

米大統領選の共和党候補は、支持率19%のジェブ・ブッシュ氏と18%のスコット・ウォーカー氏の2人に絞られた。両者は「不法移民問題」で対立しているが、民主党候補のヒラリー・クリントン氏に勝てる候補トなると、不法移民問題に穏健なジェブ・ブッシュ氏に軍配が上がるが。大統領選で、ヒスパニック票の取り込みが期待できるからだ。

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