2015年3月4日 朝日「2016年米大統領選」「候補、次々オバマ氏批判」
朝日に「2016年米大統領選」「候補、次々オバマ氏批判」が書かれている。
「2016年の米大統領選の共和党候補指名争いに向けた選挙戦が、事実上スタートした。米メリーランド州で28日まで開かれた保守派による『保守政治活動会議(CPAC)』の年次総会には、出馬が有力視される候補が次々と登場。オバマ政権を批判し、民主党最有力のヒラリー・クリントン前国務長官を牽制した。一方のヒラリー氏は、沈黙を守り続けている。
米CNNの2月中旬の世論調査では、共和党内の人気は、前アーカンソー州知事で知名度の高いマイク・ハッカピー氏(59)が17%でトップ。今回のCPACには不参加だったが、大統領選への出馬検討を示唆している。次いでブッシュ前大統領の弟のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)が12%で2位だ。
ブッシュ氏は、大統領選に向けた資金集めなど着々と地盤を固める。だが党内の保守強硬派から移民政策などで『穏健』との批判を受けており、保守色の強いCPACでどうアピールするか注目された。
ブッシュ氏は27日に登場。オバマ氏を『失敗した大統領』と批判し、軍事力強化と同盟・友好国との関係再構築が必要だと強調した。一方、移民については一定の条件で『我々は彼らに法的地位を与えるべきだ』と持論を展開。会場からヤジを浴びながらも、大統領選で民主党に勝つにはラテン系や若者などの支持が必要だと訴え、自らを『改革志向の保守』と強調した。
一方、CNNの世論調査でブッシュ氏に迫る11%を得るなど、急速に支持を伸ばしているのがスコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事(47)だ。労働組合への対決姿勢などで、保守派に人気のあるウォーカー氏は26日に演説。過激派組織『イスラム国』へのオバマ政権の対応を批判し、『過激なイスラム主義によるテロを脅威と認識し、立ち上がる指導者が必要だ』と訴えた。
保守系草の根の『ティーパーティー(茶会)』から支持のあるランド・ポール上院議員(52)はヒラリー氏の国務長官時代の外交政策を批判。『ヒラリー・クリントンは引退する時だ』と対抗心をあらわにした。CPACの聴衆による模擬投票では、ポール氏がトップだった。
一方、昨年7月のCNNの世論調査でトップだったニュージャージー州のクリス・クリスティー知事(52)は、穏健派からの支持をブッシュ氏に奪われ、伸び悩む。CPACでも司会者からこの点を聞かれた。『大統領選は来週ですか?』とおどけてみせ、今後の挽回に意欲を見せた。
<民主、ヒラリー氏沈黙守る>
一方、次期大統領選の民主党候補として本命視されるヒラリー氏(67)は沈黙を守っている。2月24日には米サンフランシスコ州で講演。男女の賃金格差の是正などを訴えたが、司会者から出馬について聞かれても『もちろん多くの人と話し、様々に考えている』と述べるにとどめ、踏み込みを避けた。
08年の大統領選の際は、約1年10カ月前の07年1月20日に早々と出馬表明したが、オバマ氏に追い上げられ敗北。今回は慎重に表明の時期を探っているとみられ、米メディアは4月に正式表明に踏み切るのでは、と報じている。
ヒラリー氏はメディアへの露出を避ける一方、圧倒的な知名度と資金力で、選挙に向けて着々と準備を進めている。夫のビル・クリントン元大統領の首席補佐官だったジョン・ポデスタ氏や、前回選挙でオバマ氏の選挙参謀だった人たちを陣営に迎えるなど、態勢固めにも余念がない。
リベラル派の市民団体などから、よりリベラルなエリザベス・ウォーレン上院議員を推す声や、ジョー・バイデン副大統領の名前も挙がるが、世論調査では、ヒラリー氏が6割前後の支持を集めている。現段階では党内に有力な対立候補が見当たらない」。
米CNNの2月中旬の世論調査では、ジェブ・ブッシュ氏が12%で2位に甘んじたが、ヒラリー氏に勝てるのは、ブッシュ氏しかおらず、共和党候補の本命であることに変わりない。前回大統領選の共和党候補の敗因がヒスパニック系の不支持にあったからだ。ブッシュの妻はメキシコ系であり、自らスペイン語に堪能で、ヒスパニック系の強い支持を得ているからである。