2014年9月9日 毎日「挙党態勢へ重厚布陣」「幹事長に谷垣氏」「首相、来秋総裁再選にらみ」

毎日に「挙党態勢へ重厚布陣」「幹事長に谷垣氏」「首相、来秋総裁再選にらみ」が書かれている。

「安倍晋三首相は2日、焦点の次期自民党幹事長に谷垣禎一法相を充てる方針を固めた。谷垣氏は苦しい野党時代を総裁として支えた功労者で、総裁経験者を幹事長に指名するのは初めて。二階俊博・次期総務会長と並んで派閥領袖クラスが党三役の2人を占め、来週の総裁選での再選をにらみ、挙党体制を目指す首相の狙いが鮮明になった。谷垣氏は財政再建路線で、消費税の再増税を巡り、政府・自民党内で対立につながる懸念もある。

首相は今回の人事で政権の『女性登用』方針と併せ、実務能力や調整力を重視。党の要である幹事長に派閥領袖で、総裁経験者を起用すれば安定感が増すと判断し、谷垣氏に白羽の矢を立てた。自信に近いとは言えない谷垣、二階両氏を三役に充て、党内バランスに配慮した形で、党幹部は『重厚な布陣』と評価する。

谷垣氏は政権復帰を目前とした2012年秋の党総裁選で、推薦人を確保できず出馬を断念。首相は組閣時に法相として閣内に取り込み、谷垣氏に近い議員グループの不満を封じた経緯がある。今回の人事では、首相に近い保守派の稲田朋美行政改革担当相を政調会長に内定し『安倍カラ―』も保った。

ただ、谷垣氏は野党時代の総裁として、公明、民主両党と消費増税の3党合意を交わし、消費税率10%への引き上げを推進する立場だ。だが、安倍政権内では景気の冷え込みを懸念し、再引き上げに慎重論も根強い。再引き上げを判断する年末に向け、首相と谷垣氏の路線対立が起きる可能性がある。

谷垣氏に近い議員グループは党内リベラルの流れに属し、保守色の強い首相の立場とは一線を書している。谷垣氏は8月18日のグループ研修会で、安倍政権の進める集団的自衛権の行使容認について『韓国の了解を取り付けるべきだ』と訴えた。総務会長の二階氏も親中派と目されている。

これまで首相が選挙の顔となりうる若手・中堅を幹事長に抜擢すれば、衆院解散・総選挙に向けた布石だとの見方もあった。今回の三役人事が新鮮さよりも安定を重視したのは明白。首相に近い議員は『政権が経済再生に取り組む今、衆院解散・総選挙などしている場合ではない』と話す」。

安倍首相は、来秋総裁再選を確実にした。ライバルとなり得る石破氏を地方創生相に、谷垣氏を幹事長に起用し、出馬を封じたからである。無投票再選を確実にしたのである。解散・総選挙は来年秋以降に遠のいたといえる。問題は、その間、党内に安倍1強体制の核心である安倍派を無派閥議員を軸に結集できるか、である。政治は数、数は力だからである。最大派閥町村派93人を超える120人超の安倍派結成が急務となる

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