2014年5月15日 読売「TPP、知財分野合意へ」「12カ国、著作権保護『70年』」

読売に「TPP、知財分野合意へ」「12カ国、著作権保護『70年』」が書かれている。

「環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加している日米など12か国が、音楽や小説の著作権の保護期間を70年に統一することで合意する見通しになった。新薬を開発した企業が市場を独占できる『データ保護期間』は、先進国は10年程度、新興国は5年以下と、新興国側に配慮した案で決着する見込みだ。難航分野の一つである知的財産権分野の交渉にめどがつき、TPP交渉全体が妥結へ向けてさらに前進する。

日米それぞれの交渉関係者が明らかにした。ベトナムで12~15日の日程で始まったTPP首席交渉官会合で、知的財産分野の合意内容を確認し、19、20日にシンガポールで開かれる閣僚会合に報告する。

著作権の保護期間について、12か国のうち、日本やカナダなど6か国は原則、作家や作者の死後50年としており、米国など5か国は70年、メキシコは100年と定めている。今回の合意により、日本の保護期間は20年延びることになる。

TPP交渉で、米国は、自国と同じ70年間に統一することを提案していた。映画や音楽などを海外に輸出して著作権収入を長い間稼ぎたいためだ。これに対し、日本は関税協議で米国と対立していたため、交渉戦術上、最終的な判断は保留していたが、4月の日米協議の実質合意を受け、70年への統一に応じる方針に転じた。

ただ、日本は映画については例外的に保護期間を公開後70年としており、過去の名作映画などのDVD販売や放送・配信には大きな影響はないとみられる。

一方、マレーシアやベトナムなどの新興国は著作権料の支払が増えることを懸念して70年への統一に反対していたが、交渉を主導する日米の足並みがそろったことで、異議を唱えにくくなった。新薬のデータ保護期間について、米国が譲歩したため、著作権では新興国側が譲った面もある。

新薬のデータ保護期間については、『経済発展の状況に応じ柔軟に対応する』ことで事務レベルで合意した。『安価な後発薬を入手しにくくなる』との新興国側の懸念に配慮し、先進国と新興国で差をつける。各国の具体的な保護期間は、19日からの閣僚会合で決める見通しだ。日本の新薬のデータ保護期間は、一部の製品を除いて原則8年で、2年延びることになる」。

ベトナムで12~15日開かれたTPP首席交渉官会合で、日米の譲歩により、難航分野の知的財産権分野で合意し、TPP交渉全体妥結にさらに前進した。TPPの日米協議が「実質合意」したからである。

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