2024年4月30日 Google行政処分

公正取引委員会はアメリカGoogle社に独占禁止法に基ずく処分を行った。GoogleはYAHOOとの間でインターネット広告に於ける事業提携しており、顧客がインターネット検索した内容に応じて関連する広告を配信する「検索連動型広告」を展開してきた。

しかしGoogle側からYAHOOに対してGoogle技術によるスマートフォン対応の検索連動型広告の使用をやめるよう要求してきた。この事が市場に於ける公正な競争を阻害するとみて公正取引委員会は調査してきたが、その後Google側が要求を撤回した。公正取引委員会はGoogle側の要求は市場の公正な競争を阻害する疑いがあるとした事に対しGoogle側は自主改善計画を出した。

今後3年間はYAHOOに対して(技術提供の制限をしない)(外部専門家の定期監査を受ける)(改善計画の履行状況を公正取引委員会に3年間報告する)とし公正取引委員会としてはこれらの事項に対して監視を継続し不履行が確認されれば独占禁止法違反調査を再開するとした。今回の処分内容は独占禁止法の「確約手続き」に基ずき、自主改善計画を認定して履行義務を課した。

排除措置や課徴金は無いが自主改善計画に不履行があった場合は、認定を取り消して調査再開するとの事である。これに対してGoogle側は今回の自主改善計画を確実に履行するとコメントを出している。近年に於いて拡大し続けるデジタル広告市場では、圧倒的な技術力を持ったIT企業がルールを構築し、それを利用するIT企業との主従関係はより深まり他に選択肢が無いほどになってきた。

元々YAHOOはデジタル広告同業であり競い合う立場であったが、(YAHOO側がGoogleに縛られずに自由に事業展開出来る契約)を前提に検索及び配信技術をGoogleに委託する方針転換をした。しかしその約束は長くは続かず、事業の肝と言える「検索連動型広告」を止めるように要求された。YAHOO側は技術の核心を握られているせいか直ぐには公正取引委員会に申告しなかった。この様な強弱関係に於ける弊害は民間企業であれば収益や株価が落ちたりするだけであるが、軍事機器、戦闘機などは安全保障上の懸念が残る。

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