2024年3月11日 政治と金問題

自民党政治刷新本部はいわゆる裏金問題を受けて党則改定案を了承した。
本部長である岸田首相は「政治家も当然の責任を取る。前例、慣行にとらわれず抜本的な出直しを進めなければならない」と述べた。
今回の党規律規約での改革点は政治資金規正法違反が起きた時点で、議員本人に対する処分を明文化した。具体的には(政治団体の会計責任者が逮捕:起訴された時は議員本人を離党勧告や党員資格停止とする)
(会計責任者の有罪が確定すれば議員本人を除名、又は離党勧告処分とする)

活字上は重い処分となっているが、今回の様な事案で見ると会計責任者と議員本人との関係が曖昧であり証拠立証が難しい点にある。改定案でも議員本人を除名するには(議員も関与するなど政治不信を招く、政治的、道義的責任があると認められる時)と追加されている。つまりは決定的な証拠がない場合、議員本人が関与を否定すれば処分は難しい。骨抜きとの指摘も否めない。

また党運営の指針、ガバナンスコードの改定もあり派閥に関して「資金力と人事への影響力を背景に議員を集め、数の力によって影響力を増やそうとする組織」と定義。旧来の派閥の存在や新設を禁じると明記した。
「政策集団」は存続を認めたが政治資金パーティーは禁じて、政治資金収支報告書の提出には外部監査を義務つける。役職に関しても議員本人の希望や専門分野を党が一元管理して政策集団からの人事リクエストを受け付けず、適材適所を目指すとしている。一方従来の派閥を解散してない集団もある為、整合性が問われる問題は残る。

今回の改革案でも一部派閥は残りつつ原則派閥解消の中、今迄の派閥の役割であった金集めと人事権を削いだ形だが党執行部の中央集権化がより強くなるであろう。リクルート事件から政治倫理の改革が問われ当時も改革や規制が作成されてきたが一定期間を過ぎると、政治と金の問題は付きまとう。
性善説では変わらない事は歴史が物語っている。有権者が政治にさらに関心を持ち常に監視を強めていく事が一番の政治倫理改革になると思う。

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