2024年3月6日 復興を模索ウクライナ

ロシアによるウクライナ侵攻から2年が経過し、まだまだ先が見えない戦火が続く現状の中、ウクライナのシュミハリ首相が来日した。
岸田首相は日本・ウクライナの政府・企業関係者の集まる中「日本はこれまでも、そしてこれからもウクライナと共にある」と述べてウクライナに対する支援は「未来への投資」とも付け加えた。

内容として、ウクライナに進出企業に対しての税制優遇措置などであり、日本の支援額は財政措置も含めて80億ドルになる。ウクライナのシュミハリ首相からは謝意が述べられた。EU各国の支援疲れが感じられる中、たのもしい限りであるが、政権支持率低下での日本の未来の投資も不安である。

更にウクライナの復興にかかる費用を世界銀行による試算では4860ドル(10年間)としている。日本は憲法上の制約もあり今迄も防弾チョッキやヘルメットなど殺傷能力の無い装備品を提供してきた。今後は地雷や不発弾処理費用の無償資金協力拠出を申し出ている。
岸田首相は安全保障上の理由を考慮し普段から台湾有事を想定して(今日のウクライナは明日の東アジア)を発言してきている。先日、岸田首相とシュミハリ首相の共同会見では安全保障分野の情報共有に関して「情報保護協定」の締結に向けてスタートするとの発表をした。

一方、自民党部会などからは、現状、劣勢が伝えられるウクライナ情勢を考慮し将来的なロシアとの関係を憂慮する意見も出ている。今年のアメリカ大統領選挙によりトランプ前大統領復権の可能性も出てきた中、そもそもアメリカもどこまで寄り添っていくのかも不確定要素がある。
日本国内に於いても能登半島地震で被災された方々への支援、復興を一番に優先すべきとの声がある。与党内からも様々な意見が出るのは当然であろう。

世界銀行のデータでは侵攻後の2022年は東部の重工業地帯が占領され経済の支えを失った。また穀物輸出の滞りなどGDPが29.1%落ちた。経済復興には国際的な援助がなければ不可能であろう。だが経済復興の大前提である平和が戻る見通しはみえてこない。

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