2023年11月28日 不適材不適所

岸田政権下において昨年より辞任ドミノが起こっている。今回は過去の税金滞納及び差し押さえを繰り返していた神田財務副大臣が事実上更迭となった。政務三役の辞任は3人目になる。
神田財務副大臣のコメントは「国会審議に迷惑をかける為」と何度も聞いてきた定型フレーズである。官邸側も自ら役職を辞したと強調した。

若い女性と不倫で辞任した山田文部政務官や公職選挙法違反の柿沢法務副大臣、税金滞納の神田財務副大臣など、よりにもよっての選任は言語道断と言わざるおえない。神田議員が所属する派閥の安倍派からも厳しい意見が出ている。
世論の声を軽くみているのか、当初官邸からは「昔の話であり滞納分は既に納付済みであり法律違反ではない」とか擁護するかのような姿勢であった。

安倍派の萩生田政調会長なども松野官房長官に対して辞任を求めたとされているが、決断は先送りされた。昨年の臨時国会から年末までに閣僚4人が辞任した記憶が蘇り、政府側はひとえに辞任ドミノを恐れて決断が鈍ったのあろう。
岸田首相が主張してきた「適材適所」は野党が指摘するように「不適材不適所」になっている。不祥事の内容が、一番選任してはいけない役所になってしまっている。自民党内からも官邸の身体検査の甘さに憤りの声も上がっている。

岸田首相は次期総裁選を優先して思案した結果、派閥間の波風を押さえ、全ての派閥からの支持を考慮し、副大臣や政務官の起用には派閥の要望通りにした結果が今般の事態を招いたのではないか。
立憲民主党の泉代表は任命責任が問われても仕方ない状況であるとし、首相自らが経緯と責任を語るべきとしている。
この様な事態に対しても岸田首相は「必要に応じて説明責任を果たしていくことは当然」と答えるに留まり、積極的な厳正対応にはみえない。

この様な対応が政権支持率低下に拍車をかけ、東京青梅市長選、立川市長選、都議補選、福島県議選など直近の地方選挙にも影響を与えているのではないだろうか。

pagetop