2023年4月26日 北朝鮮 ICBM級

13日北朝鮮が内陸部から高角度で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級と思われるミサイルを発射した。日本の排他的経済水域(EEZ)への落下が懸念されたのでJアラート(全国瞬時警報システム)が発出された。

防衛省吉田統合幕僚長は記者会見で、当初は北海道に落下する可能性のあるミサイルを探知したと発表している。政府関係者も北朝鮮から弾道ミサイルが発射されレーダー探知後、ミサイル角度や方向をシステムが計算上北海道南西部陸地に着弾の予想が出たと述べている。日本の領土、領海に落下予想される事態は戦後初めての事である。

その後、途中段階では陸地から領海に落下する予想に修正され、更に高度が上がるにつれてレーダー上から消失した。政府側は消失が一時的である可能性も残されているので万一に備えてJアラートを発出した様である。岸田首相は「国際社会全体に対する挑発をエスカレートさせるもので、断じて容認できない」と非難している。

敵基地攻撃の憲法解釈
他国の領域内にあるミサイル発射拠点などを直接攻撃する敵基地攻撃やまたその装備を保有する事は憲法に違憲か合憲か。野党は違憲の可能性を指摘し、岸田首相は合憲であると主張しているが、本格的に議論していく必要があるであろう。政府は昨年国家安全保障戦略、安保関連3文書を改定し敵基地能力の保有を決定した。

歴代の内閣に於いても敵基地攻撃は合憲との解釈を示しており、古くは1956年の衆議院内閣委員会での答弁が根拠として踏襲している。防衛省担当者も「ミサイルの性能は日々向上しており、自国を守る力を持つことが日米同盟の抑止力や対処力向上に役立ち武力紛争を起こさせない目的」と答えている。

政府は2014年に憲法解釈の変更に伴い集団的自衛権に於いても敵基地攻撃は可能との見解だ。ロシア・ウクライナ問題に後押しされ、拡大解釈される土壌であるだけに国民的議論を早急に深める事が必要に思う。いずれかのタイミングで衆議院解散するのであれば争点にすべき事案である。

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