2023年3月5日 自民党と連合の距離間
自民党大会が2月26日に開催された。統一地方選を考慮してか通年より早い開催時期になったが、連合の芳野会長の出席があるのかの話題が注目された。連合は立憲民主党や国民民主党の支持団体として、言うまでもなく労働組合の団体である。賃上げを目指す労働組合の芳野会長に対して自民党幹部の一部から党大会への招待に関して秋波が送られていたようだ。
結果的に招待は見送られたが、賃上げを実現していくには政府・与党とより連携した方が良いのではとの意見や、自民党大会の運動方針に「働く人々の側に立った雇用労働政策の充実」等盛り込まれた。連合の芳野会長は招待されても違和感なく参加出来た内容であると思う。しかし統一地方選挙前に芳野会長が自民党大会に出席する事は、連合の支持政党に与える影響は大きいと思う。
2月初頭にも官邸からの要請もあり岸田首相と芳野会長は面談をした。芳野会長からは賃上げに対する組合活動やひとり親家庭の子供達の実状などを伝えた様だ。信頼関係を構築する為にも定期的な会合を求めた様で、会見でも満額回答であったと答えている。連合も勢力拡大を目指しての接近なのか分からないが、以前に比べ組合員は伸び悩み、しいては組織力低下に直面している。労働者の8割は加入してない。民主党政権交代時は大きな存在感を示した時代もあったが、その後は立憲民主党と国民民主党で分裂し支持政党を一本化出来ない組合間の事情も抱えている。
自民党側もその事情を勘案してのことか、昨年は麻生副総理が芳野会長と会食を共にして親近感を深めている。与党としても連合の支持政党の切り崩しにとどまらず連立する公明党との緊張感を保つ牽制にもつかえるだろう。一方連合側の芳野会長は招待されれば出席する事はやぶさかでなかったようだが、かつての会長職経験者からは自民党大会出席に猛反対があったようだ。自民党側も無理に招待し、芳野会長の今後の立場を揺らがしてもとの配慮もあり招待を控えたのだろう。
何れにしても連合設立時より100万人近く減っている組合員、その要因を労働者からくみ取って、働くものが参加したい労働組合を目指して欲しい。芳野会長の出身母体であるミシンメーカー組合時代の感覚で、与党幹部とも対峙して頂きたい。