2022年7月25日 混迷の野党共闘

立憲民主党が野党共闘を限定的にするなか、一人区に於いて4勝28敗との結果であった。参議院選挙後、立憲民主党の泉代表と西村幹事長は支援組織である連合の芳野会長を訪ねて、選挙結果を報告した。参議院選前には立憲民主党は国民民主党、社民党、共産党、れいわ新選組などに1人区の一本化を提案していたようだが叶わず、今後は選挙戦略の変更が必要であろう。何より比例区に於いて日本維新の会の得票数を下回っている。前回、前々回と野党共闘の成果が出て11勝、10勝と結果を残している。国民民主党とのエネルギー政策の相違や共産党との安全保障政策の相違で相容れない部分はあるだろうが、選挙戦に於いては勝利しないと理想とする政策実現も出来ないので、根本的な仕切り直しが必要である。

労働組合の中央組織、連合の芳野会長は各野党の代表と意見交換した後、今回の参議院選挙の厳しさを語った。立憲民主党と国民民主党との共闘はかなわず、連合が応援した選挙区では46人中、当選は14議席、比例区に於いては組織内候補を各党から9人擁立して1名は叶わなかった。11日の会見では、今般の参議院選挙の分析及び総括は今後との事としたが、支援した両党が議席を減らした事については、特に一人区に於いて候補者の一本化が出来なかったことが原因なのは明白である。連合についても基本政策や最終目的が違う政党(主に共産党)との連携をする候補者は推薦しないとした事も野党共闘に影響はあったであろう。

連合会長自身も様々な意見交換としながらも、自民党の麻生氏と会合を持った事も組織内外から(自民シフト)との疑念も持たれたりした。今後暫く国政選挙の予定はなく、自民党は安定多数の中、本来の党是として憲法改正、また防衛費増額にシフトしてくるであろう。
しかし、与党が圧倒的に支持された訳でも無い。やはり、ある程度支持される勢力の野党がいてこそ、緊張感をもった健全な与党が存在する。かつてに比べれば労働組合の勢力減少は否めないが、その中でも中心的な野党の支持母体である連合の舵取りに期待したい。

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