2021年9月26日 8年半の安倍路線継承としての高市総理か岸田総理か

17日告示、29日投開票の自民党総裁選は野田聖子幹事長代行の出馬表明で4氏で争う混戦となった。すでに出馬表明している岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、河野太郎行政改革相の得票数が分散し、1回目の投票で1番人気の河野氏の過半数獲得は困難との見方が大勢となった。16日の野田氏の出馬は、総裁選混戦への引き金となった。野田氏の出馬を支援したのは二階幹事長である。二階幹事長は岸田憎しで河野氏を支援しているのに、である。

朝日の11,12日の全国世論調査で「次の自民党総裁に誰がふさわしいか」を聞いたところ、河野太郎行政改革相が33%と最多で,石破茂元幹事長が16%、岸田文雄前政調会長が14%、高市早苗前総務相が8%、野田聖子幹事長代行が3%だった。自民支持層では河野氏42%、岸田氏19%、石破氏13%、高市氏12%、野田氏1%だった

ところが、15日、石破氏が不出馬を表明し、河野氏支持に回るとし、自民支持層で河野氏42%+石破氏13%=55%となり、岸田氏19%、高市氏12%の3倍超となった。1回目の投票で地方票383+議員票383=766票の過半数384を確保する河野=石破連合 の戦略であるが、野田氏の出馬が誤算となった。野田氏の出馬で河野氏に投じる予定の議員票20人が削減されたことである、河野氏は地方票で6割の230台、議員票で4割の150台との計算が、議員票20減は大きい。河野氏の議員基礎票は、麻生派20,無派閥40,石破派10,二階派10、竹下派10,細田派10、他10の110しかないからである。

総裁選の核心は、8年半の安倍路線の継承か、転換か、であり、河野・石破連合の反安倍路線をつぶすべく、安倍・麻生連合の安倍路線継承が高市氏、岸田氏であり、第1回投票で河野=石破連合の過半数を阻止し、決戦投票では、2位、3位連合で安倍路線継承が勝利とのシナリオである。この安倍・麻生連合のシナリオが奏功するか否かは、参院自民党109議席の動向がカギとなる。22年7月の参院選まであと9か月であり、既得権益の代表である参院自民党は、既得権益打破の改革路線である河野=石破連合には NO である。自民党の地方票の既得権益派が押さえている4割も NO となる。河野氏の地方票6割の230は難しく5割の200前後にとどまる可能性大となる。一方、議員票の383の約3割の参院109が NO で衆院270の中での過半数150は不可である。結果、第1回投票での河野・石破連合は1位にはなるが過半数は取れず、決戦投票となる。2位、3位連合の高市氏、岸田氏のどちらかに一本化し、主要派閥が勝ち馬に乗れとなり、圧勝する。高市氏か岸田氏のいずれかが総理総裁となる。

問題は、1番人気の河野総理ではなく、高市総理か岸田総理でも。次期衆院選を勝ち抜けるのか、である。

朝日の内閣支持率は前回調査(8月7,8日)より2ポイント増の30%、不支持率は2ポイント減の51%と微増となったが、自民党の政党支持率は5ポイント増の37%、次期衆院選の比例投票先は8ポイント増の43%と急伸した。9月3日,菅義偉首相が総裁選不出馬を表明し、自民党総裁選が17日告示、29日投開票で、フルスベックで行われ国民の関心を集めているからである。テレビのワイドショーは、総裁選一色であり、電波ジャックである。菅義偉首相の自ら身を退いた戦略が奏功したからである。誰が総理総裁になろうとも、ご祝儀相場で、60%前後の内閣支持率と40%以上の自民支持率で衆院選に臨み、現有議席276議席マイナス30議席を一掃し、プラス20議席も可能となった。

与党の支持率は、自民37%+公明3%=40%に対して、野党共闘は、立憲5%+共産3%+国民0%+社民0%+れいわ0%=8%しかない。5分の1である。次期衆院選の投票先では、与党が6%=49%に対して、野党共闘は立憲11%+共産6%+国民2%+社民1%+ れいわ1%=21%しかない。289の1人区で与党の圧勝となる。

野党共闘は総裁選で完全に埋没した。そもそも、国会は閉会中であり、政府・与党の追及ができない。しかも、コロナ新規感染者数のピークが8月20日となり、それ以降減少に転じ、 ピーク時の全国2万人が9月17日現在5000人と4分の1になっている。ワクチン接種効果であり、菅義偉首相のワクチン戦略が奏功したからである。野党共闘の支持率が低迷を続けているのは、ゼロワクチンを主張し続け、政権担当能力のなさが国民に周知徹底されており、それならば、疑似政権交代である自民党総裁選へと国民の関心が収れんしたのである。疑似政権交代となった高市総理か。岸田総理で圧勝となるが。8年半安倍路線の継承としてである。 国政選挙7連勝となる。

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