2019年11月5日 日経に「香港対応 党が前面」「4中全会閉幕」「中国、経済方針先送り」「重要人事動きなく」

日経に「香港対応 党が前面」「4中全会閉幕」「中国、経済方針先送り」「重要人事動きなく」が書かれている。

「中国共産党は31日閉幕した第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で、長期化する香港問題の収束に向けて党が前面に出る姿勢を示した。香港政府では解決が難しいとの危機感から、法整備で香港の高度な自治に介入する意思を表明した。経済政策は骨太の議論が乏しく、中長期の基本方針の策定を今回も先送りした。会議前に観測が出ていた重要人事は見送った。

会議後に公表したコミュニケでは香港への言及が普段の重要会議よりもずっと増えた。香港問題が主な議題の1つだったことがうかがえる。

習近平(シー・ジンピン)党総書記(国家主席)は12年の就任後、香港に高圧的な姿勢を取ってきた。香港に高度な自治を認めた『一国二制度』を骨抜きにするような施策を打ち出し、2014年の雨傘運動や今回のデモ活動を招いた。

党内では香港問題への習氏の対応能力に疑問符がつく。習氏は内部の批判を抑え込むためにも、事態収拾へさらなる強硬策を採らざるをえないと判断した可能性がある。

コミュニケは『国家安全を守る法律制度と執行システムを構築する』と記した。破壊行為を防ぐための法整備を党が後押ししたり、疲弊する香港警察を党が支援したりする可能性がある。ただ習氏の強硬姿勢にデモ隊が反発し、さらに問題解決が遠のく恐れは拭えない。強硬策はもろ刃の剣でもある。

一方、経済政策の議論は乏しかった。中国では5年に1度の党大会の翌年に、中長期の経済の運営方針を決める。12年秋に発足した習政権も1期目は13年秋に決めた。2期目は18年秋に決めるはずが、会議が開かれなかった。今回の会議も経済への言及はわずかで、経済運営の基本方針は先送りした。

経済論議が停滞する背景には長引く米国との貿易戦争がある。米国は国有企業や産業補助金の改革を要求し、中国は拒んでいる。中国社会科学院の張斌研究員は『短期では米国との全面的な合意は難しい』と語る。

構造改革に後ろ向きな方針を出せば米国との交渉が停滞しかねず、改革姿勢を打ち出せば国内の強硬派から『米国に屈した』と批判されかねない。経済政策で方向性を打ち出しにくい状況だ。

習政権はすでに13年の3中全会で、市場化改革を志向した基本方針を打ち出したが、多くの政策が実現していない。

地方政府の財源を安定させ、マンション投機をふせぐ不動産税(固定資産税)は、立法化を約束したがいまだに法案が公表されない。株式発行を役所の許可制から登録制に切り替える改革も先送りがつづく。

張氏は『政策のゆがみが生んだ構造問題の解決には米中貿易摩擦が良い機会になる』と話す。13年の改革を実現できるかは、まもなく折り返し点を迎える2期目の習政権の大きな課題だ。

注目された人事には動きがなかった。4中全会の開催前、最高指導部の政治局常務委員会をいまの7人から9人に増やすとの観測が流れた。60年代生まれの陳敏爾・重慶市書記と胡春華(フー・チュンホア)副首相の2氏を起用し、習近平(シー・ジンピン)氏の後継者に育てるとの見立てだ。

習氏が18年に国家主席の任期を撤廃し、『終身制』に布石を打っているとの疑念が強まっていることが人事観測の背景にあった。フタを開けてみれば人事は無風で、表面上はいまの『習1強』体制が続く。未曽有の難局のなか、『いまの習体制でまとまるべきだ』との意見が党内で強まった可能性がある」。

31日、中国共産党の4中全大会が閉幕したが、肝心な経済方針は先送りとなった。構造改革に後ろ向きな方針を出せば米国との交渉が停滞しかねず、改革姿勢を打ち出せば国内の強硬派から「米国に屈した」などと批判されかねず、経済政策で方向を打ち出しにくい状況だからだ。代わりに強化されたのが、香港対応である。法整備での香港の高度な自治への介入である。一方、重要人事は見送られ、「いまの習体制でまとまるべきだ」との意見が大勢を占めた。

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