2013年9月13日

「実質1%の引き上げ」読売に「『景気に冷や水』回避狙う」「首相、消費増税時に経済対策」「『2%』分は実質還元」が書かれている。

「安倍首相は、消費税率を2014年4月から予定通り8%に引き上げる一方、5兆円規模の経済対策を行うことで、増税による景気への悪影響を最小限にとどめたい考えだ。『経済再生と財政再建の両立』を政権の基本方針に掲げた首相にとって、苦肉の判断だ。

消費税を14年4月に8%とし、15年10月に10%とする増税は、昨年8月の社会保障・税一体改革関連法成立で決まった。当時野党だった自民党は成立に協力したが、昨年12月に就任した首相は『増税は、回復し始めた景気に冷や水を浴びせかねない』(周辺)と考え、最終判断を保留してきた。財務省は『増税を見送れば、財政再建に後ろ向きと取られ、国債価格の下落などで信用低下を招く』と首相に予定通りの増税実施を進言してきた。増税を見送る場合、10月召集予定の臨時国会での関連法改正が必要となる。自民党内でも増税を容認する声が広がっており、首相は『方針転換は困難』と判断した。

ただ、首相は、3%の引き上げを『あまりにも大幅過ぎる』とみて、2%相当の経済対策を実施する案を考え出した。社会保障・税一体改革関連法は、消費税をすべて社会保障財源に充てると明記しており、政府は、経済対策に充てる財源を別途確保する方針だ。

欧州各国では、消費税に相当する付加価値税を引き上げる場合、国民生活への影響を考え、1~2%ごとに小刻みに引き上げるケースが多い。英国では、一度に2・5%引き上げたケースがあるが、そもそも食料品などの生活必需品には課税しない複数(軽減)税率を導入しているため、国民生活への影響は比較的少なかったとされる。

首相の経済ブレーンである浜田宏一内閣官房参与らは景気への悪影響を抑えるため、増税幅を毎年1%ずつとする案を提唱してきた。これも、経済対策の実施で実質的な景気への影響を1%引き上げと同程度にとどめようとする方針につながった。

政府が今後急がなければならないのが、増税に伴う低所得者対策だ。与党は、軽減税率を導入するまで、現金を配る『簡素な給付措置』を実施する方針だ。給付対象を住民税非課税世帯に限定することなどが検討されているものの、バラマキ批判は根強い」。

安倍首相は、10日、首相官邸に、麻生財務相、甘利経済再生担当相を呼び、来年4月から予定通り8%に、消費税率を引き上げる場合に、5兆円規模の経済対策が必須とし、その準備をするよう指示した。消費増税による景気腰折れを防ぐためである。

問題は、財務省が呑めるのか、である。消費増税3%を上げ、2%分を国民に還元するのであり、実質1%の引き上げとなり、本田内閣参与の「1%ずつ引き上げ」と同じになるからである。予定通りの8%引き上げが骨抜きになるからである。それでも、財務省は、2%分還元を呑まざるを得ない。呑まなければ、安倍首相は、最終判断を「先送り」とするからである。首相主導の勝ちとなるが。

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