2016年6月1日 日経「本社世論調査」「内閣支持、56%に上昇、オバマ氏訪問「評価」92%、サミット外交「評価」62%」

内閣支持率3ポイント増の56%、民進党支持率3ポイント減の8%」

日経に「本社世論調査」「内閣支持、56%に上昇、オバマ氏訪問「評価」92%、サミット外交「評価」62%」が書かれている。

「日本経済新聞社とテレビ東京による27~29日の世論調査で、内閣支持率は56%で4~5月の前回調査から3ポイント上昇した。不支持率は35%で5ポイント低下。先の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で議長を務めた安倍晋三首相の働きぶりは62%、オバマ米大統領の広島訪問は92%がそれぞれ『評価する』と答えた。一連の外交成果が支持率を押し上げた形だ。

内閣支持率は2014年9月の内閣改造を受けた調査で60%を記録して以来の高水準となった。

来年4月の消費増税は『反対』が63%と依然高水準。『賛成』は3ポイント上昇の32%だった。増税先送りで取り沙汰される衆参同日選は『反対』が1ポイント低下の42%、『賛成』は3ポイント低下し38%だった。経済政策『アベノミクス』は『評価する』が38%と2ポイント上昇し、『評価しない』は49%で4ポイント低下した。

<外交成果、与党に追い風、参院選、増税「反対」なお6割超>

日本経済新聞の世論調査で、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)などの外交成果が安倍政権の内閣支持率を1年8カ月ぶりの高水準に押し上げた。2017年4月の消費増税も『反対』が6割超と、先送りの意向を固めた安倍晋三首相の判断を後押しする結果が出た。7月の参院選に向けて追い風になりそうだ。

首相はサミットで主要7カ国(G7)首脳らとの議論を主導し、世界経済の減速阻止策を柱とした首脳宣言を取りまとめた。こうした議長としての働きぶりを『評価する』は62%で『評価しない』の21%を大きく上回った。内閣支持層で『評価する』との回答は8割に上った。

政府・与党はもともと参院選を控えた時期のサミット開催を『選挙戦に弾みをつける格好の場』ととらえ、会議の成功を最重要課題としていた。安倍首相は5月の大型連休中に欧州を歴訪、財政出動を含む政策協調に慎重な英国やドイツの首脳と調整を重ね、首脳宣言の採択につなげた。

世界経済が危機に陥るリスクに触れた首脳宣言は、17年4月の消費税10%への引き上げ先送りの口実になるとの批判も根強い。

ただ予定通りの消費税引き上げに『反対』が『賛成』のほぼ2倍。内閣支持・不支持にかかわらず『反対』が多く、増税延期そのものが参院選に大きくマイナスになることはなさそうだ。

サミットに併せて実現したオバマ米大統領の広島訪問も高い評価を受け、内閣支持率は56%と14年9月の第2次安倍改造内閣が発足した直後以来の高い水準になった。参院選の投票先も自民党が44%と『1強』を維持しており、選挙戦に向けた大きな懸念材料は見当たらないようにみえる。

ただ沖縄県で米軍属が逮捕された女性遺棄事件への日本政府の対応は『適切ではない』が46%と『適切だ』の37%を上回った。事件には女性の反発が根強く、無党派層も半数近くが政府対応を『適切ではない』と回答した。6月上旬には沖縄県議選があり、その結果次第では参院選に逆風が吹く可能性もある。

<参院選候補の野党一本化、反対が賛成上回る>

世論調査で7月の参院選での野党が進めている候補者一本化について聞いたところ、『賛成』が35%、『反対』が42%となった。野党の支持層でみると、民進党支持層が『賛成』73%、『反対』19%、共産党支持層も『賛成』63%、『反対』27%と一本化の軸になる民進、共産両党の支持層には一定程度浸透している。ただカギを握る無党派層は『反対』36%と『賛成』31%を上回った。

民進、共産両党に社民 生活両党と加えた野党4党は参院選で32ある『1人区』すべてで一本化のメドを立てている。今後は政策のすり合わせなどが課題になりそうだ。

参院選で投票したい政党は、自民党が44%で4~5月の前回調査から変化はなかった。民進党は3ポイント低下の12%だった。公明党4%、共産党5%、社民党1%でいずれも横ばい。おおさか維新の会は2ポイント低下の4%で、生活の党は1ポイント上昇の2%。態度未定は4ポイント増え28%だった。政党支持率は自民党が2ポイント低下の44%、民進党が3ポイント低下の8%。無党派は9ポイント上昇し30%だった。

<オバマ氏の広島訪問、内閣不支持層も評価、核廃絶「期待」は49%>
世論調査で27日にオバマ米大統領が被爆地、広島を訪れたことについて聞いたところ『評価する』が92%に上り『評価しない』は4%にとどまった。内閣不支持層でも88%が評価しており、米国の現職大統領として初の広島訪問は圧倒的な支持を集める結果となった。

支持政党別にみても、『評価する』は安倍政権に批判的な民進党支持層で97%、共産党支持層でも91%に上った。無党派層で『評価する』は84%だった。

オバマ氏は広島での演説で『核兵器を持つ国は核兵器のない世界を目指す勇気を持たなければならない』と訴えた。ただオバマ氏の広島訪問が核廃絶につながるかを聞いたところ『期待できる』は49%と半数に届かなかった。『期待できない』は42%だった。

『期待できる』との声は女性に多く55%と半数を超えたが、男性は44%にとどまった。日本はオバマ氏が提唱する『核兵器なき世界』の実現を支持する一方、中国や北朝鮮などの核の脅威を前に米国の『核の傘』に頼る現実もある」。

以上の調査結果から次のことが読み解ける。

内閣支持率が前回調査より3ポイント増の56%に、不支持率が5ポイント減の35%と2014年9月の内閣改造時の60%に次ぐ高支持率となったが、オバマ氏広島訪問を評価する92%、サミット外交評価62%が押し上げた。一方、民進党支持率は3ポイント減の8%、比例投票先も3ポイント減の12%となっている。自民党支持率44%の5分の1、比例投票先44%の3分の1以下である。旧民主の保守層の離反、無党派層の浸透不足が理由である。野党共闘奏功せずである。

問題は、7月10日の参院選投開票日まで、安倍晋三首相の外交成果による追い風が与党に吹き続けることである。比例投票先自民44%と民進12%の3倍格差が縮減しないことになる。自民圧勝、民進惨敗となるが。

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