2016年5月12日 東京「『あきらめ票』発掘狙う」「反安倍でも野党不信」「小林氏ら団体設立」「参院選、原発や沖縄政策、民共と近く」

東京に「『あきらめ票』発掘狙う」「反安倍でも野党不信」「小林氏ら団体設立」「参院選、原発や沖縄政策、民共と近く」が書かれている。

「政治団体『国民怒りの声』を立ち上げる小林節・慶応大名誉教授が9日に発表した安全保障関連法廃止など7つの基本政策は、安倍政権が推進する政策とは逆方向で、民進党や共産党に近い。小林氏は、参院選での野党共闘を分断するものではなく、新たな政権批判票を掘り起こす役割を果たせると強調した。

<立ち位置>

『安倍政権は、世界のどこででも戦争のできる法律を成立させてしまった』

小林氏は会見冒頭に読み上げた設立宣言で、安保法に真っ先に言及し、廃止を訴えた。安保法は安倍政権が成立・施行させたが、民進(当時は民主と維新)、共産、社民、生活各党は廃止法案を今国会に共同提出した。安保法が違憲との議論に火を付けた小林氏自身が出馬することで、安保法の廃止が参院選の争点として注目が集まりそうだ。

自らの専門の憲法を巡っても、小林氏は『改正はいいが、改悪は駄目』という表現で、安倍政権による改憲の動きを批判した。

安倍政権が『知る権利』を脅かす特定秘密保護法を成立させたことや、放送界への政治介入とも取れる圧力に触れ『言論統制を止めなくては駄目だ』と訴えた。野党側が一貫して問題視してきた点だ。

原発は廃止を主張。沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設の中止も打ち出した。これらも野党側の主張に近い。政策的に『反安倍政権』の立ち位置は明確だ。

<役割分担>

過去の国政選挙では、同じ主張を掲げる野党が個別に候補者を立て、共倒れになってきた。夏の参院選はどうなるのか。『国民怒りの声』は民進党を支持してきた人は民進党を、共産党の支持者は共産党を支持してほしいと明言。自分たちは『<どうせ政治は変わらない>と諦めて棄権してきた無党派層』をターゲットにすると説明する。

安倍政権には投票したくないが、民進党にも共産党にも拒否感がある層の票を掘り起こす役割分担を目指しているとみられる。

だが、『国民怒りの声』が棄権票を拾うのにとどまらず、これまで両党に入っていた政権批判票の一部が流出する可能性は否定できない。民進党幹部は『野党が分裂しているようなイメージを与えてしまう』と話した。民進党の長妻昭代表代行は9日の記者会見で『できる限り、連携しながらやっていく必要がある』と述べた。共産党の小池晃書記局長は『今の時点でコメントする中身はない』とだけ話した」。

小林節・慶応大名誉教授が、政治団体「国民怒りの声」を立ち上げ、参院選全国比例区に自らも含めて10人を出馬させる意向を表明したが、100万票獲れるか否か、である。社民党、生活の党の票を食うだけにとどまるが。小沢氏主導の「オリーブの木」構想が民進党の拒否によってとん挫したからである。

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