2016年5月12日 朝日「消費税、首相いつ判断」「来春10%へ引き上げ適否」「参院選前か後か、衆院解散に影響」
朝日に「消費税、首相いつ判断」「来春10%へ引き上げ適否」「参院選前か後か、衆院解散に影響」が書かれている。
「来年4月に消費税率を10%へ引き上げるかどうか、安倍晋三首相が判断する時期に注目が集まってきた。夏の参院選前に増税見送りを判断すれば、首相は参院選でその是非について民意を問う構えだ。参院選後に増税延期を決めた場合は、今年秋から冬にも国民の信を問う衆院解散・総選挙に踏み切る可能性もある。
首相は年明け以降の世界経済の減速などから、すでに消費増税の先送りを検討している。今月2日にはイタリア・フィレンツェで記者団に、増税の是非をめぐる判断時期について『主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で世界経済の状況をどのように認識するか議論し、よく精査していきたい』と表明。26、27日の伊勢志摩サミットの議論を踏まえる意向を示したが、最終判断の時期は明確にしていない。
判断時期が参院選前の前か後かで、政権運営のシナリオは大きく変わる。夏の参院選前に判断する場合、政権は参院選を増税の是非について国民に問う機会と位置づける考えだ。
自民党内では当初、増税延期と衆院解散・総選挙はセットとみなす見方が大勢だった。首相が消費増税の見送りを表明し、夏の参院選に合わせて衆院選を行う衆参同日選で信を問うとのシナリオだ。
だが、熊本地震の発生により、首相は被災地への配慮から同日選見送りにかじを切った。与党内でも、増税延期と同日選の『セット論』を唱える声は下火となった。ただ、増税先送りは『選挙で追い風になる』(官邸幹部)との見方が強く、参院選前に増税先送りを表明して政権浮揚を図るシナリオが有力視される。参院選で与党が過半数を獲得して『勝利』とみなせば、その後の衆院解散の判断は時期に縛られず、首相は自民党の総裁任期満了(2018年9月)近くまでフリーハンドを握ることができるためだ。
ただ、自民党内では、増税先送りの判断は経済情勢をぎりぎりまで見極めるため、参院選後に持ち越しても構わないとの声も上がる。高村正彦副総裁は今月6日、訪問先の北京で記者団に『決断は必ずしも参院選前にしなければいけないということではない』と語った。別の自民幹部も『消費増税の判断は、9月半ばに出る4~6月期の国内総生産の速報値を見てからでも間に合う』と話す。
参院選をまたいで増税先送りを決めた場合、その是非について『やはり民意を問うべきだ』との主張が与党内でも強まりかねない。首相は早ければ今秋から冬にかけて、衆院解散に踏み切る可能性もある。
一方、来年4月に予定通り消費税率を引き上げれば改めて民意を問う必要はなくなる。ただ、増税後の消費は冷え込みかねず、経済情勢に合わせて政権の支持率が低下すれば首相の求心力が落ちる可能性もある」。
安倍晋三首相において、消費税再増税先送りではなく、凍結ありきである。参院選でなく衆院選で国民に凍結の是非を問うべきとなる。衆参同日選となり、死んだふり解散となるが。