2016年4月29日 日経「消費増税X解散」「首相、同日選見送っても・・」「判断時期も焦点」「参院選前、先送りなら高まるフリーハンド」

日経に「消費増税X解散」「首相、同日選見送っても・・」「判断時期も焦点」「参院選前、先送りなら高まるフリーハンド」が書かれている。

「安倍晋三首相が2017年4月からの消費増税の是非を判断する時期が再び焦点になってきた。7月の参院選にあわせ衆院選も実施する衆参同日選を見送る意向だが、判断時期が引き続き衆院解散のタイミングと絡むため。参院選前に先送りを決めれば、解散時期の選択肢が広がるとの見方がある。予定通りなら秋以降から17年はじめの解散の可能性がささやかれる。

<早期判断求める公明>

『今国会会期末の6月1日には、消費増税に関する方向性を発表してほしい』。公明党は最近、首相官邸に水面下でこう要請した。同党幹部は『予定通り上げるのか、延期するのか、現場が戸惑っている』とこぼす。

公明党と支持母体・創価学会は参院選準備を進めている。17年4月の消費税率10%への引き上げに合わせ、食品などの軽減税率導入を公約の柱に掲げてきた。増税延期なら選挙戦略を根本から見直さなければならない。

首相周辺は『5月18日に公表する1~3月期の国内総生産(GDP)速報値、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)、経済状況などを見て判断する』と語る。

日本経済の消費は低調だ。1~3月期のGDP速報値は15年10~12月期に続き、2期連続マイナス成長の可能性もささやかれる。与党で『有権者に人気がない増税は参院選前に延期を決めるべきだ』との声がある。

<秋~年明け解散も>

首相は14年11月、増税延期とセットで衆院解散した。今回、首相は地震対応を優先するため同日選を見送る意向だが、増税延期の選択肢は残した。『延期しても衆院選どころではない』との理屈だ。

官邸内には『7月までに延期を表明し参院選で国民に信を問えばよい』との声がある。参院選前に延期を決断すれば『首相は解散権を縛られなくなる』との見方が出てくる。増税後の解散は与党に不利との声が多い中、増税延期を18年4月に先送りすればそれまでフリーハンドを得られる。

参院選前に増税の是非を判断しなければどうなるか。参院選では、リーマン・ショックや大震災級の事態がなければ予定通り増税との方針を繰り返す可能性が高い。参院選後に先送りを判断すれば『国民に信を問うべきだ』との声が上がりそうだ。増税先送りを掲げて秋以降や年明けの解散に踏み切る可能性がある。

首相は14年11月に『再び延期することはない。断言する』と明言した。延期すれば『増税環境を整えられなかったアベノミクスの失敗』と責任を問われかねない。

予定通り引き上げるなら17年4月からの増税直後の解散は難しいとの声が多い。18年以降に解散時期を先延ばしすれば、同年に党総裁や衆院任期を迎えるだけに『追い込まれ解散』の懸念が出てくる。このため与野党で『秋~年明け解散説』がささやかれる」。

安倍晋三首相においては、消費税再増税凍結ありきである。衆参同日選は決して諦めていない。会期延長、7月1日解散、7月31日投開票のシナリオもあるが。

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