2013年8月15日

日経に「円、増税にらみ一進一退」「『先延ばしなら円高』優勢」が書かれている。

「消費増税の判断を巡る市場の思惑から、円相場の方向感が定まらない。4~6月期の国内総生産(GDP)速報値や関係閣僚の発言を材料に、12日の東京市場では一進一退の展開になった。消費増税の円相場への影響は様々だが、市場では『先延ばしになれば、円高に振れる』との見方が優勢になっている。

12日発表の実質GDPは、政府が消費増税を予定通りに実施するかどうかを見極める重要指標。結果は前期比年率2・6%増と、市場の事前予想を大幅に下回った。市場では発表直後に40銭ほど円高が進み、1ドル=95円台後半に上昇した。『消費増税の実施が不透明になった』との見方が急浮上したためだ。

メリルリンチ日本証券の山田修輔FXストラテジストは『安倍政権の脱デフレ政策が海外の支持を得るには(消費増税による)財政健全化が前提になる』と指摘。消費増税が先延ばしになれば、海外の投資家が日本株を売り、為替リスクを避けるために先物で売っていた円を買い戻すとの思惑が広がった。

ただ、円買いは長続きしなかった。甘利明経済財政・再生相が記者会見で『(消費増税の)判断材料の一つとして引き続き良い数字が出てきた』と述べたためだ。市場は『どんな数字が出ても、消費増税を実施するつもりだろう』(国内銀行)と受け止め、一転して円売りが強まった。午前11時半ごろに安倍晋三首相の『さらなる成長戦略の実行など景気、経済に力を入れていきたい』という発言が伝わると、さらに円売りが優勢になった。欧州で取引が始まった夕方には改めて安倍、甘利両氏の発言が意識され、96円台後半まで下落した。

ただ今後は『消費増税の先延ばし=円高』という現在の構図が揺らぐ可能性もある。QUICKが12日発表した外為月次調査では、国内の事業法人や金融機関、運用会社の約6割が『消費増税を予定通りに実施しないと円安要因になる』と回答した。消費増税の先延ばしが正式に決まれば『日本国債の格付けが引き下げられる』」。

13日の東京株式市場で、日経平均株価は、大幅に反発し、前日比347円57銭高の1万3867円00銭とこの日の高値で終えた。安倍首相の法人税の実効税率引き下げの指示を好感してのものであり。円相場は、1ドル=97円台半ばに下落した。「消費増税先延ばし」は、円安要因となる。

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