2016年1月4日 毎日「改憲へ緊急事態条項」「議員任期特例、安倍政権方針」

毎日に「改憲へ緊急事態条項」「議員任期特例、安倍政権方針」が書かれている。

「安倍政権は、大規模災害を想定した『緊急事態条項』の追加を憲法改正の出発点にする方針を固めた。特に衆院選が災害と重なった場合、国会に議員の『空白』が生じるため、特例で任期延長を認める必要があると判断した。与野党を超えて合意を得やすいという期待もある。安倍晋三首相は今年夏の参院選の結果、参院で改憲勢力の議席が3分の2を超えることを前提に、2018年9月までの任期中に改憲の実現を目指す。

政権幹部が、首相の描く改憲構想を明らかにした。この幹部は『首相は在任中に9条を改正できるとは考えていない』と指摘。自民党には戦力の不保持を規定した9条を改正すべきだという主張が根強いものの、首相は自身が繰り返し述べてきた『国民の理解』を得やすい分野から改憲に着手するとの見通しを示した。

昨年9月に成立した安全保障関連法によって集団的自衛権の限定的な行使が可能になった。そのうえ9条を改正しようとすれば、公明党の協力は到底見込めないという事情もある。

憲法に緊急事態条項を加える議論は、11年3月の東日本大震災後に活発化した。当時、被災地では同年4月に予定されていた統一地方選を特例法で延期したが、国政に関しては、憲法が『衆院議員の任期は、4年とする。ただし、衆院解散の場合には、その期間満了前に終了する』(45条)、『参院議員の任期は、6年とし、3年ごとに議員の半数を改選する』(46条)と定めている。この任期を法律で延長すると憲法違反になるという解釈が有力だ。このため、政治空白の回避策として緊急事態条項案が浮上した。

衆院憲法審査会は14年11月、共産党を除く自民、民主、公明、日本維新の会(当時)など各党が緊急事態条項を本格的に議論することで合意した。こうした国会の動きを、首相は昨年11月の国会答弁で『重く大切な課題だ』と評価。同12月16日には、自民党の保岡興治衆院憲法審査会長が『今後は緊急事態条項が改憲論議の中心になる』と報告したのに対し、『与野党で議論を尽くしてほしい』と応じた。衆院憲法審査会では、衆参両院議員の任期延長や選挙の延期を例外的に認める条項の検討が進む見通しだ。

ただ、自民党は野党時代の12年に発表した憲法改正草案の緊急事態条項に、国会議員の任期延長だけでなく、一時的な私権の制限も盛り込んだ。同党がこれを基にした主張を展開すれば、他党の反発を招く可能性がある。

自民党の改憲推進派は『最初の改憲で失敗すれば、二度と改憲に着手できなくなる』と懸念しており、首相も国会の議論を見極めながら、改憲を提起するタイミングを慎重に計るとみられる。

憲法改正は、衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成を得る必要がある。自民、公明両党は衆院では3分の2を超える議席を持っているが、参院では3分の2に届いていない」。

安倍晋三首相は、2018年9月までの任期中に憲法改正の実現を目指す。公明党の反対によって9条改正は先送りし、先ず「緊急事態条項の追加」を憲法改正の起点にするとの方針である。それならば、衆参同日選なしでも可能となるが。それでもあえて衆参同日選を狙うのは、公明党抜きでも衆参3分の2を確保するためか。本丸である9条改正を直接狙うためか。

pagetop