2015年11月4日 日経「法人税、来年度30・99%以下、政府、実効税率下げで調整」

日経に「法人税、来年度30・99%以下、政府、実効税率下げで調整」が書かれている。

「政府は企業の利益にかかる法人実効税率を今の32・11%から2016年度に30・99%以下に引き下げる方向で調整に入った。引き下げで減る税収を埋めるため、企業の設備投資を促す目的で時限的に設けた設備投資減税などの減税額を減らす。政府は企業の国際競争力を高めるため法人実効税率を17年度に20%台に引き下げる方針で、そこに至るペースを早める。

政府は16年度の法人実効税率を31・33%以下にすると昨年末決めたが、税率は30・88~30・99%まで下がる見通しだ。与党内の議論を経て今年末に固める与党税制改正大綱に盛る。代わりの財源を確保するために13年度に始まった設備投資減税の規模を減らす。最新設備などを購入すれば全額を費用として計上し法人税の支払を減らせる仕組みだが16年度から費用計上できる範囲を狭める。

これにより16年度は500億円超の税収増が見込める。16年度末には設備投資減税は廃止する。最大で3000億円の税収増要因になる。代替財源として企業が設備投資にかけた費用を複数年に分けて計上し、その間の法人税負担を軽くする減価償却の基準も見直す。投資直後に計上する費用を大きくし法人税の支払いを圧縮できる『定率法』の適用対象となる設備を減らす。

エレベーターやダムなどには定率法が適用できなくなる。企業は毎年、同じ額を費用として計上する必要が生じるので、企業の納税額は一時的に膨らみ税収も増える。16年度には500億円超の税収が増える見通しだ。

差し引きで16年度は、産業界全体で約2000億円の減税となる。政府は17年度に実効税率を20%台にする方針で、それには16年度から最低1%の引き下げが必要。そこで17年度は大企業は赤字でも事業規模に応じて税金を払う外形標準課税を増やす方向だ。赤字企業の税負担は増える一方、黒字企業の負担は減り、実効税率は下がる」。

政府は2016年度に企業の利益にかかる法人実効税率を今の32・11%から2016年度に引き下げる方向で調整に入ったが、実質2000億円の減税にしかならない。財務省が代替財源を要求しているからである。17年度には20%台に引き下げる方針だが、実質1兆円超の減税が必須となるが。

pagetop