2015年11月23日 朝日社説「南シナ海問題」「緊張緩和の努力こそ」

「軍事的抑止力の強化こそ」

朝日の社説に「南シナ海問題」「緊張緩和の努力こそ」が書かれている。

「南シナ海が『開かれた海』であり続けるために、日米が連携するのは当然だ。そうだとしても、米国は米国の、日本は日本の役割を大事にしたい。

安倍首相がオバマ大統領との首脳会談で、南シナ海で米軍が行っている『航行の自由作戦』への支持を表明した。

中国が埋め立てて造った人工島近くに米軍艦船を派遣し、国際規範に沿った『航行の自由』を示すのが作戦の狙いだ。独断でルール変更をめざす中国の行動は容認できるものではなく、首相の支持表明は理解できる。

一方で、米軍の作戦が南シナ海の緊張を高め、偶発的な軍事衝突を招きかねないことも確かだ。中国に責任ある大国としての自制を促すためには、軍事的な抑止と、外交的な緊張緩和のバランスが求められる。

その意味で懸念されるのは、日米協力の必要性を強調する大統領に対し、首相が南シナ海での自衛隊活動について『(海域の)情勢が日本の安全保障に与える影響を注視しつつ検討する』と伝えたことだ。

菅官房長官は『航行の自由作戦に自衛隊が参加する予定はない』と説明したが、首相の発言は将来の自衛隊派遣に含みを残したとも受け止められる。先の国会での安全保障法制の審議では、南シナ海への自衛隊派遣について十分な議論はなかった。

首相の真意は何なのか。やはり早期に国会を開き、きちんと説明してもらう必要がある。海上自衛隊の艦船は現在も南シナ海を航行しているが、継続的な警戒監視活動は行っていない。法制上、不測の事態への対応が難しく、活動に制約をかけてきた面がある。

だが安保法制が来春に施行されれば、並走する米艦の防護が可能になるなど、米軍と自衛隊の共同行動がやりやすくなる。かねて米国からは、南シナ海での自衛隊の活動に期待が示されてきた。米軍の負担がそれだけ軽くなるからだろう。

しかし、日本は中国を侵略した歴史があり、隣国でもある。日中が軍事的に衝突すれば、米中の場合以上に事態の収拾が難しいことは創造に難くない。

日米が同じ行動をとることだけが連携ではない。日本として何を、どこまでするのか。国民的な議論が欠かせない。軍事的な行動を言う前に、東南アジア諸国などと連携しながら、経済や環境、エネルギーなど幅広い分野で中国を対話に巻き込み、同時に国際ルールを守るよう促していく。緊張緩和に向けた外交努力こそ、日本の役割ではないか」。

社説の主旨である「緊張緩和の努力こそ」に異論がある。

安保法制に拠る軍事的抑止力としての南シナ海での米軍と自衛隊の共同行動ありきだからである。19日のマニラでの日米首脳会談での安倍首相の米軍の「航行自由作戦」支持と将来の自衛隊派遣に含みを残した発言が、中国への牽制となり、緊張緩和への一歩となるからである。

問題は、軍事的な抑止力があってこその緊張緩和であること。事実、米中の軍事衝突を恐れて中国は、米軍の「航行の自由作戦」を容認せざるをえない。米中戦争になれば中国は完敗するからである。「緊張緩和の努力こそ」ではなく「軍事的抑止力の強化こそ」が、正論となる。

読売に「6・23公示案に異論」「来夏参院選」「沖縄『慰霊の日』島尻氏」が書かれている。

「島尻沖縄相は20日、政府・与党が来夏の参院選の公示日を6月23日を軸に検討していることについて、この日が沖縄の『慰霊の日』にあたるとして、否定的な見解を表明した。自民党沖縄県連も日程の見直しを求めており、今後、議論を呼びそうだ。

島尻氏は20日の閣議後の記者会見で、太平洋戦争末期の沖縄戦で組織的な戦闘が終結したとされ、慰霊の日と定められている6月23日に関し、『沖縄にとって鎮魂の一日であり、公示になじまない』と語り、日程の再検討を働きかける意向を明らかにした。

沖縄では毎年、慰霊の日に追悼式典が開かれ、首相や衆参議長が出席している。自民党県連の具志孝助幹事長は20日、『県民には(23日公示は)受け入れられない』として、沖縄入りした茂木敏充選挙対策委員長に変更を申し入れた。

島尻氏は参院沖縄選挙区選出で、来夏には改選を迎える。米軍普天間飛行場の移設問題で政府と沖縄県の対立が深まる中、『これ以上地元の反発を買えば闘えない』(県連幹部)という事情も働いたとみられる。

政府・与党が来年の参院選で『6月23日公示-7月10日投開票』の日程を有力視するのは、選挙権年齢を『18歳以上』とする改正公職選挙法が6月19日以降に公示される国政選挙から適用されるためだ。7月17、24日の投開票では、3連休や夏の行楽シーズンとぶつかることへの配慮もある。

菅官房長官は20日の記者会見で『(参院選の日程は)全く決めていない。島尻氏(の発言)は沖縄選出議員としての思いだろう』と述べるにとどめた。1972年の沖縄の本土復帰以降、衆参両院の通常選挙の公示日や投開票日が6月23日になったことはない。ただ、この日が選挙期間中となったことは5回(86年は衆参同日選)ある。

自民党内では、『閣内不一致ととられ、野党に追求の材料を与える』(中堅)と懸念する声もある。民主党の蓮舫代表代行は20日、『(島尻氏は)表に言うのではなく、まず閣内で整理すべきだ』と批判した」。

島尻沖縄相が、6月23日公示案に異論を唱えたが、変更なしとなる。安倍晋三首相が、ダブル選に持ち込むためには、6月23日公示、7月10日投開票がベストだからである。

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