2024年9月28日 自民党総裁に石破氏

岸田総裁の後任を決める自民党総裁選挙にて、石破茂元幹事長が決選投票の末選出された。そもそも現職の岸田総裁が不出馬になった主な要因に裏金問題をはじめとする政治と金の問題があり、麻生派を除く派閥が解消されたことによって派閥による候補者擁立が鈍くなり、稀にみる多数の乱立となった。

国会議員票368票、党員党友368票のゆくえは、分散して最後まで確定的予想が難しい選挙であったと思う。一度目の投票結果は高市候補が議員票72票、地方票109票の合計181票で一位。2位の石破候補は議員票46票、地方票108票、合計154票であった。ここでは当初有力視された小泉候補の失速が目立つ。決選投票では各都道府県の1票にウエイトが大きくなる議員票で争われ、各都道府県で上位の候補に割り振られた票は、石破候補が議員票189票、都道府県票26票、合計215票獲得し、高市候補に逆転勝利した。

何れにしても衆議院解散総選挙が近い各議員自身の選挙バイアスがかかった結果であると思う。特に決選投票では様々な思惑が想像できた選挙であったと感じる。結果を受け石破氏は同日党本部に於いて記者会見にのぞみ「ルールを守る自民党であることが重要で、守っているかどうかを国民が検証できる仕組みを作らねばならない」と政治と金の問題に取り組む姿勢を強調した。

また衆議院解散の時期についての質問には「新政権が発足し、野党と論戦を交わしたうえで、なるべく早く国民の審判を賜らなければならない」との考えを示した。裏金議員と言われる対象者の党公認対応に関する質問には「当選の可能性が大きな判断材料であり説明責任は総裁も果たしていきたい」との見解に留め明言は避けた。

今後の党役員人事に関する質問には今時点は白紙としながらも、今回の総裁選で争った候補者には要職をお願いする考えも示している。
自民党内に居ながら政権批判もしてきた石破氏は国民的人気と議員間支持のギャップを抱えながらの船出となるが、国民的関心事の政治と金問題にどの程度切り込めるかが、かつての総裁が踏襲してきた安倍路線との決別を意味する。

pagetop