2024年10月7日 縛り多き新政権

自民党石破総裁は来る衆議院解散総選挙に於いて、派閥におけるキックバック不記載で何らかの処分を受けた所属議員について各都道府県連の申請を受けて原則は公認する意向であると述べていたが、反響の大きさを考慮したのか一部非公認の考えに変更した。

石破首相は10月9日に衆議院を解散して15日公示、27日投開票の意向を示している。この発表も総理大臣就任前にいささかフライングであったと思う。
自民党総裁選出馬当時は公認問題について「ふさわしい候補者か党として責任を持たなければならない」と非公認もありうる様な発言であったが、総裁就任後は党内のシナリオがあり縛りがあったとはいえ、自ら決めた解散日程に於いて時間的制約なども理由に原則公認となっていったのであろう。

また政治資金関連では旧石破派(水月会)の政治団体でも2019年~2021年に於いて開催分収入の中で政治資金収支報告書記載が義務ずけられているうち一部の記載漏れが指摘されている。2019年に「健康保険政治連盟」が48万円を支出しているのに対し石破派側の収支報告書には28万円の記載しか無かったようだ。2020年、2021年でも同様のずれがあったようだ。旧安倍派での問題と規模は小さいが同じ疑念内容である。

総裁選結果でも勝利を収めたとはいえ、決選投票に於いて高市候補と僅差であり党内を二分する形になった。取り急ぎ党内をまとめるのは選挙に勝利する事と考えた上での短期決戦策であるのは理解出来る。国民に総理候補を問う世論調査では常に上位であった石破首相の人気の源泉は、与党内野党的な歯に衣着せぬ政権批判など正論を言ってきたからであろう。その魅力を封印してまで党内融和に舵をきって、自民党員数の数十倍の有権者に対して選挙に勝てるのだろうか、あまり良い戦略とは思えない。

選挙結果によっては権力基盤に揺るぎが生じ短期政権に終わってしまう。
物価や賃金の安定、ロシア、ウクライナ問題、戦火拡大が懸念されるイスラエル、中東問題、台湾有事懸念、北朝鮮など安全保障上のリスクにさらされている日本、党内での好き嫌いなど乗り越えて、何より政治の安定を望む。

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