2016年3月22日 産経「野党同床異夢」「参院選まで4カ月」「民共社が共闘協定締結」「20区で難航、共産に反発」
産経に「野党同床異夢」「参院選まで4カ月」「民共社が共闘協定締結」「20区で難航、共産に反発」が書かれている。
「夏の参院選まであと4カ月に迫るものの、与野党の選挙協力の態勢構築は一進一退状態だ。野党では安倍晋三政権の打倒を目指し5党が各地での統一候補擁立に急ぐが、中核となる民主党と共産党の温度差が影を落としている。与党では、公明党候補の推薦をめぐり自民党本部と地元県連のきしみも起きている。
『これまで長野選挙区の定数は2議席で(自民、民主両党の)指定席だったが、今回は1議席になった。この自由席を勝ち取らないと意味がない。一緒に戦いましょう』
20日、長野市内のホテル。夏の参院選に民主党新人候補として出馬する元ニュースキャスター、杉尾秀哉氏(58)は、民主、共産、社民3党との『共闘協定』締結後の挨拶で必勝を宣言した。
3党による協定締結は宮城選挙区に次いで2例目で、協定に安全保障関連法廃止などを明記した。民主党県連代表の北沢俊美元防衛相は『画期的なことだ。信州からうねりを全国に広げていこう』と訴えた。
長野選挙区に象徴されるように全国32の改選1人区の『野党統一候補』擁立に向けた協議は、各地で進みつつある。県レベルで政策協定を交わすなどして候補一本化に合意したのは20日現在で、宮城、福井、長野、徳島・高知、長崎、熊本、宮崎、沖縄--の8選挙区。このうち沖縄を除く7選挙区で、共産党は擁立を発表した候補を取り下げ、民主党公認や無所属候補の支援に回る。
一本化で大筋合意した山梨と鳥取・島根も含めれば計10選挙区に達し、青森と新潟でも近く合意に達する見通しだ。
『1強』の安倍晋三政権に対峙するため、野党候補の共倒れを回避する共闘戦線は、2月19日の野党5党の党首会談で協力を確認した。同22日には共産党の志位和夫委員長が候補取り下げの意向を表明し、歯車が動き始めた。
志位氏は『32の1人区のすべてで野党統一候補を実現する』と鼻息が荒いが、残る20選挙区は協議が難航している。民主党の地方組織には、安保法廃止以外の政策で隔たりがある共産党との『民共連携』に難色を示すケースもあるからだ。
民主党の保守系にも『共産アレルギー』は根強く、枝野幸男幹事長は野党共闘をめぐる表現ぶりに神経をとがらせる。安保法成立から半年を向かえた19日。都内で開かれた市民団体の会合で、枝野氏は野党共闘について『できうる限りの協力』という表現にとどめ、保守系への配慮をみせた。
協定が成立した長野選挙区でさえ、民主党関係者は『共産党は選挙になれば前面に出てきそうだ。何を要求されるかも分からないし…』と困惑。民主党の最大の支持母体の連合は共産党との協力について『民主党と共産党とは考え方が違う。国のあり方や目指す方向も違う』(神津里季生会長)と距離を置く。
『1プラス1が3にも4にもなる』。志位氏は共闘を歓迎するが、民主党保守系には共産党も含めた連携には『逃げる票の方が多い』(前原誠司元外相)との不満がくすぶる。与党から『民共合作』と批判される中、『1強打破』という認識では一致する野党だが、共産色を強く出る事態を懸念する民主党。『同床異夢』ともいえる野党共闘の効果は未知数だ」。
参院選まであと4カ月に迫ったが、民共合作が成功したのは32の1人区で12にとどまっている。残り20区で難航している。問題は、衆参同日選での衆院小選挙区295での民共合作なるか、である。難しいとなるが。