2014年12月17日 日経「第3極不振、共産は躍進」

日経に「第3極不振、共産は躍進」が書かれている。

<維新、大阪でも伸び悩み、次世代、選挙区中心に大幅減>
「2012年の前回衆院選で躍進した『第三極』は振るわなかった。旧日本維新の会の分裂や旧みんなの党の内紛による解党なども響き、『非自民、非民主』票の受け皿への期待が薄れた格好だ。

維新の党(公示前42議席)は議席を大きく伸ばすのは難しい情勢。選挙準備が遅れ、小選挙区の候補者が77人と旧日本維新の会が前回擁立した151人を大きく下回った。江田憲司共同代表は14日夜の日本テレビ番組で『早期に衆院解散に踏み切った安倍さんの作戦勝ちだ。維新は9月に結党したばかりで、もう一国会を経れば認知された』との認識を示した。

前回衆院選では橋下徹共同代表(大阪市長)への強い期待感を追い風に、旧日本維新の会が地盤とする大阪で圧倒的な強さをみせた。ところが今回は大阪の前職も接戦に追い込まれた。橋下氏は同日夜の記者会見で『維新への信任、党代表の僕への信任がなかったということだ』と語った。

次世代の党(公示前20議席)も苦戦した。選挙区を中心に公示前を大きく下回る見込み。平沼赳夫党首や園田博之顧問ら強い後援会組織を持つ候補以外は苦戦。党の顔である石原慎太郎最高顧問は比例東京ブロックの最下位に退き、選挙戦の最中に引退にも触れた。

生活の党は公示前勢力(5議席)の維持は困難になった。社民党(公示前2議席)は沖縄2区と比例九州ブロックで議席を獲得した。新党改革は比例東京ブロックに候補者を擁立したが、厳しい戦いを強いられた。

<共産、議席2倍超、小選挙区で18年ぶり勝利>
衆院選の沖縄1区で共産党前職の赤嶺政賢氏が当選を決めた。共産が小選挙区で議席を獲得するのは1996年衆院選以来18年ぶり。比例代表でも前回を大きく上回り、公示前の8議席から倍増した。党勢回復に弾みが付きそうだ。前回は『第三極』に流れた自民批判票や無党派層の一部の取り込みに成功した。

沖縄1区は赤嶺氏と自民前職の国場幸之助氏、維新元職の下地幹郎氏との三つどもえとなった。赤嶺氏は米軍普天間基地の名護市辺野古への移設反対を主張。県知事選で同じ移設反対派の翁長雄志氏が勝利した流れを引き継いだ。

共産が2桁の議席を獲得すれば2000年衆院選以来、14年ぶり。消費増税中止などを掲げて『自共対決』を前面に押し出し、『自民1強』の構図の下で埋没していた野党内で存在感を示した。

志位和夫委員長は14日夜の記者会見で『国民目線に立った訴えが評価された。国民と連携して政権を追い詰めていく』と述べた。

共産は79年衆院選で過去最多の39議席を獲得したが、ソ連崩壊など社会主義運動の衰えとともに、12年には8議席となった。ただ、近年は労働環境が劣悪な「ブラック企業」への追及などで注目を集め、昨年は東京都議選で自公に次ぐ第3党に躍進した」。

共産党は沖縄1区で赤嶺氏の当選を決め、1996年の衆院選以来18年ぶりに小選挙区で議席を確保し、比例代表でも倍増以上となり、公示前の8議席から21議席と躍進した。政権批判層の受け皿になっている。無党派層にも支持を広げており、要注意である

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