世界のものさしで考えよう。

2015年3月28日 林 信吾 - テラモーターズ・ベトナム 代表取締役社長 -
林 信吾(27歳)です。現在は電動バイクのスタートアップ企業であるTerra Motorsのベトナム法人代表をしています。大学卒業後3ヶ月で海外法人の立ち上げを任され、ベトナムでの生活も早3年半が経過し、4年目に突入しそうなこのタイミングで、今思うことを書きたいと思います。

僕は大学3年終了時に休学をしました。なぜか?やりたいことが見つからず、就職活動も何も次に進むことが出来ませんでした。そして、悩みすぎて軽い鬱病になりました。幼少期から大学までは与えられたレールをひたすら走っていればよかったのですが、大学後の進路については自分自身で選択していくものです。いわゆるモラトリアム期特有の問題に僕は苦しみました。

転機は休学時に参加したバングラデシュのプログラム(GCMP)。初めての海外、初めての新興国で、直に貧困層の方々の生活の中に入ることで僕の心境は大きく変化しました。かっこ良く言えば「自分は世界に貢献しないといけない立場の人間である」ということですが、単純に「何に挑戦して失敗しても日本に戻れば何とかなるし、最悪はバングラデシュの川のお風呂で暮らそうと笑」。

僕が持つものさしが日本から世界へと変化した瞬間でした。そして、気づきました。本当はやりたいことがいっぱいあるのに、リスクや周りの声、将来への不安などからその可能性に自分で蓋をしていたと。

そこから、僕は自分のやりたいことに対してどういったアクションをすればたどり着けるのか徹底的に考え、行動しました。すぐに海外へ行き英語を勉強し、スタートアップに入社し、オフィスに泊まりこんで猛烈に働きました。当時24歳でベトナム法人を任され、1人で事業立ち上げに邁進してきました。

バングラデシュでのたった数週間の経験によってうつ病だった僕の何かが変わって、思考も変化し、行動も変わりました。そして、ベトナムで3年以上生活をしており、なぜ日本で今若者が大きな夢を持ちにくいか?を考えることが多くなりました。

僕が考えるに、1つに日本のムラ社会、突出した人、人と違った考え方を許容しにくい文化があると思います。ライブドア事件などは典型的な例でしょう。そして、1つに人口減少、高齢化などにより、未来の経済が明るくないことがあると思います。将来のことを考えると、日本という国は魅力的ではありません。海外でも多くの投資家や将来を見ている人は気づいています。正直に申し上げて、この状況を変えるのはおそらく難しいと思っています。

しかし、個人ベースで見ると状況を変えるのは簡単です。世界のものさしで物事を考えることです。世界の情勢を見て、世界の中での自分の立ち位置を考えるべきです。自分の好きな文化がある国へ移住してもよいでしょう。日本で変人扱いされる人は海外に出てもよいでしょう。働くのも暮らすのも何も日本に拘る必要はないのです。

その昔、やれ薩摩藩だ長州藩だと、日本も一つではありませんでした。今はもう1つと言ってよいでしょう。当時の方々からすると奇跡的なことだと思います。そして、将来は日本、中国、アメリカその他の国も世界は1つ。地球として1つにまとまる日が来ると思っていますし、その序章は既に始まっていると思います。その上で現在の日本という国をどうしていくか、日本人である自分たちは世界で何をしていくべきか?考える時だと思います。
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