激動の2026年海外編  その2

2026年2月7日 高野育郎 - グループアム代表 -
ベネズエラの大統領が拘束された事案の考察。米国は表向き麻薬の米国への流入を防止すると言っている。またはピントのずれたマスコミは石油利権を奪取するための暴挙と非難している。しかしながらそれほど単純なことではないと思われる。その理由を説明すらにはベネズエラの立ち位置についての説明が必要であろう。まず麻薬についてであるが米国に流入する麻薬はコロンビアで作られており,ベネズエラは経由地の一つにすぎない。米国への麻薬の流入が圧倒的に多いのは隣国メキシコである。メキシコの麻薬カルテルに対しては、すでに強行手段が取られている。

では,マスコミの言う石油利権の奪取のためかと言うと、これも残念ながら的ハズレである。その理由はベネズエラにおける石油は重質油であり、カナダで取れる石油と似ているとされる。したがって供給に不自由はない。ベネズエラの石油採掘施設は、米国資本のシェブロンが昔,作った施設で老朽化が激しい。そのため,経営効率が極めて悪いことから,仮に石油の利権を取ったところで設備投資が嵩むことははわかっているのだ。

すると何が目的なのか、と考えるに中国,ロシアなどのグローバルサウスの国々への警告と考えるのが妥当ではないだろうか。トランプ大統領も西半球の安全保障を言い出している。ベネズエラにある石油利権をめぐって,中国,キューバなどの西半球にある共産国家,独裁政権に対し警告が目的であると考えるのが妥当であろう。

ただこの警告は並の警告ではない。中国がベネズエラに供給したミサイル防衛システムが無力化されたことは、グローバルサウス諸国において中国製武器の信頼性は著しく毀損した。さらに中国はベネズエラの石油には莫大な6兆円とも10兆円ともいわれる借款を与えており、放棄せざるをえない事態になることであろう。

また,米国の喉元のトゲといわれるキューバはベネズエラの石油に頼っており、早速,首都ハバナにおいて停電の時間が増えている。トランプ大統領は,キューバは時間の問題だと明言している。いずれにしてもイランのハメネイ,北朝鮮の金正恩などは,明日は我が身と構えていることであろう。

おまけになるがメキシコ,コロンビアなどの麻薬カルテルのボスたちは拘束ではすまないだろうから、アジトの穴倉から出てこなくなるのだろう。新年最初の米国の行動は、いかなる理由付けをしても明らかな国際法には間違いない。
羨ましい限りである。
さて、さて、とはいうものの、このような解決法を常態化させないように国際社会が単に非難するのでなく問題を速やかに解決できる仕組み作りをしていかねばならないのだろう。
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