トランプ暗殺未遂事件の写真の完成度

2024年9月21日 高野育郎 - グループアム代表 -
大統領選が半年を切った七月にドナルドトランプが遊説先のフィラデルフィアで暗殺未遂事件に遭遇した。

フィラデルフィアといえばアメリカ独立の象徴とも言える場所。
この事件には大統領暗殺にはつきものの暗喩がささやかれることになるのだろうが,驚いたのは決定的瞬間をとらえた写真だ。

青空に翻る星条旗。シークレットサービスの黒い背中。そのあいだから血まみれの大統領候補の顔。拳は高く天に突き上げられている。
古典絵画を思わせる完璧な構図にドラマが見事に収まっている。
この完璧さゆえに,後に明かされた有名な報道写真のエピソードを思いだす。

硫黄島上陸に立てられた星条旗と6人の兵士の話や厚木に降りたつマッカーサーがタラップをいかにゆっくり降りたかなど。
マッカーサーは追われたフィリピンに再上陸した時には波打ち際を歩くショットを何度も繰り返し撮らせている。
こんなエピソードが頭をよぎるのもトランプ銃撃の写真が偶然とは思えない緻密で完璧な構図だからだ。

いずれにしても一枚の写真が大統領選挙戦後も語り継がれることになる。
pagetop