“ポリオ撲滅”という政治活動
2016年9月21日
金森サヤ子 - 一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチ(JIGH)調査事業本部長 兼 チーフ・ヘルス・オフィサー -
政治って、何でしょう?
これまで政治と聞くと、自分が生きているのとはちょっと次元の違った世界のような気がしていました。
でも、政治という言葉が「人間集団における秩序の形成と解体をめぐって、人が他者に対して、また他者と共に行う営み」と定義されるように、本来の意味は「あらゆる人間が、属する集団の中で生きやすいようにするための働きのこと」なのだと思います。
そう考えると、政治は政策や法律を作る特定の人たちだけの営みではなく、私たち一人一人が築いてゆく行為のことでもある、そんな気がします。
今日は、私が、未来のために、今おこなっていること-わたしの政治活動-について、お話したいと思います。
私は今、JIGHという医療シンクタンクで、「医療×グローバル」をキーワードに様々な地球規模の保健医療課題解決に取組んでいるのですが、そのうちの一つが、世界からポリオという病気を撲滅することです。
私たち人類はその歴史の中で、エイズやエボラ出血熱など、沢山の新しい病気に遭遇してきました。でも、これまでに撲滅できたのは、天然痘のみ。
ではなぜ今、ポリオを世界から撲滅したいのか?
それは、ポリオが今最も撲滅に近い病気というだけでなく、ポリオウイルスが存在する限り、愛する人たちがこの病気で亡くなる可能性はゼロではないから。そして、ポリオが世界2ヵ国で常在するが故に、日本だけでも毎年約262億円が、ポリオワクチンのために支払われ続けているから。
262億円あったら、どんなワクワクすることができるだろう?
3400年近く前からある病気を、世界から無くすのは容易なことではありません。でも、できることは沢山あります。
ポリオは、治療薬はありませんが、ワクチンで予防できる病気です。
そのため、国際的には、ポリオに感染する可能性が高い子どもにワクチン接種するという戦略のもと、2019年のポリオ撲滅を目指しています。
これには、様々な人たちが関わっています。
ワクチンを製造する人たち-製薬企業や研究所。
ワクチンを買う人たち-行政や医療機関、国際機関など。
ワクチンを配布するための道具を製造する人たち-メーカーなど。
ワクチンを接種する人たち-医療従事者やNGO、ボランティアなど。
ポリオ撲滅活動が国をまたぐときは、政府や国際機関、国際協力機構(JICA)のような開発援助機関の人たち。
個人や企業、財団が、寄付やCRS、慈善活動を通じて関わることもあるでしょう。
そして、ワクチンを接種される人たち-私たち、一人ひとり。
私はこのような中で、ポリオ撲滅活動が国をまたぐとき、政府や国際機関、開発援助機関、財団、NGO等関係者の間に立ち、どこにどのようなニーズがあるのか?その中でも、日本にしかできないことは何なのか?を特定して提言したり、それを実現するための取組みをしています。
例えば、2011年に日本とパキスタン政府が締結したポリオ撲滅のための円借款契約では、一定の成果をパキスタンが挙げればゲイツ財団が代弁済するという革新的手法を導入しました。当時、援助ルールを変える必要があったため、私たちはポリオ議員連盟を設立し、関係省庁やゲイツ財団関係者と協議を重ね、ルール改定まで漕ぎ着けました。
私は、これは官民多くの関係者が「世界からポリオをなくすために 日本にしかできないことがある」ということに賛同し、個々の立場で出来ることが繋がることによって、形になったのだと思っています。そしてそれは、「国際社会の中で私たち日本人が、世界の人たちと共に生きやすいようにするための取組み」だと思います。
2019年のポリオ撲滅を、私は、私ができる取組みを他の誰かにしかできないことと繋げ、実現していきたいと思っています。
これまで政治と聞くと、自分が生きているのとはちょっと次元の違った世界のような気がしていました。
でも、政治という言葉が「人間集団における秩序の形成と解体をめぐって、人が他者に対して、また他者と共に行う営み」と定義されるように、本来の意味は「あらゆる人間が、属する集団の中で生きやすいようにするための働きのこと」なのだと思います。
そう考えると、政治は政策や法律を作る特定の人たちだけの営みではなく、私たち一人一人が築いてゆく行為のことでもある、そんな気がします。
今日は、私が、未来のために、今おこなっていること-わたしの政治活動-について、お話したいと思います。
私は今、JIGHという医療シンクタンクで、「医療×グローバル」をキーワードに様々な地球規模の保健医療課題解決に取組んでいるのですが、そのうちの一つが、世界からポリオという病気を撲滅することです。
私たち人類はその歴史の中で、エイズやエボラ出血熱など、沢山の新しい病気に遭遇してきました。でも、これまでに撲滅できたのは、天然痘のみ。
ではなぜ今、ポリオを世界から撲滅したいのか?
それは、ポリオが今最も撲滅に近い病気というだけでなく、ポリオウイルスが存在する限り、愛する人たちがこの病気で亡くなる可能性はゼロではないから。そして、ポリオが世界2ヵ国で常在するが故に、日本だけでも毎年約262億円が、ポリオワクチンのために支払われ続けているから。
262億円あったら、どんなワクワクすることができるだろう?
3400年近く前からある病気を、世界から無くすのは容易なことではありません。でも、できることは沢山あります。
ポリオは、治療薬はありませんが、ワクチンで予防できる病気です。
そのため、国際的には、ポリオに感染する可能性が高い子どもにワクチン接種するという戦略のもと、2019年のポリオ撲滅を目指しています。
これには、様々な人たちが関わっています。
ワクチンを製造する人たち-製薬企業や研究所。
ワクチンを買う人たち-行政や医療機関、国際機関など。
ワクチンを配布するための道具を製造する人たち-メーカーなど。
ワクチンを接種する人たち-医療従事者やNGO、ボランティアなど。
ポリオ撲滅活動が国をまたぐときは、政府や国際機関、国際協力機構(JICA)のような開発援助機関の人たち。
個人や企業、財団が、寄付やCRS、慈善活動を通じて関わることもあるでしょう。
そして、ワクチンを接種される人たち-私たち、一人ひとり。
私はこのような中で、ポリオ撲滅活動が国をまたぐとき、政府や国際機関、開発援助機関、財団、NGO等関係者の間に立ち、どこにどのようなニーズがあるのか?その中でも、日本にしかできないことは何なのか?を特定して提言したり、それを実現するための取組みをしています。
例えば、2011年に日本とパキスタン政府が締結したポリオ撲滅のための円借款契約では、一定の成果をパキスタンが挙げればゲイツ財団が代弁済するという革新的手法を導入しました。当時、援助ルールを変える必要があったため、私たちはポリオ議員連盟を設立し、関係省庁やゲイツ財団関係者と協議を重ね、ルール改定まで漕ぎ着けました。
私は、これは官民多くの関係者が「世界からポリオをなくすために 日本にしかできないことがある」ということに賛同し、個々の立場で出来ることが繋がることによって、形になったのだと思っています。そしてそれは、「国際社会の中で私たち日本人が、世界の人たちと共に生きやすいようにするための取組み」だと思います。
2019年のポリオ撲滅を、私は、私ができる取組みを他の誰かにしかできないことと繋げ、実現していきたいと思っています。