総理の一日 – 野田佳彦

インタビュアー:
一般人として興味があるのが、総理大臣の一日ってどういうスケジュールなのでしょうか。

野田氏:
当然、朝は早いですね。スタートは早いのですが、これは外国の首脳と違うところなのですが、首脳は誰もが朝早いはずです。国のトップは。朝から会議などいろいろあります。

海外の首脳というのは、インテリジェンスの各議員など、世界のマーケットの情報などを一応おさえてからいろいろ指示を出してスタートすると思うのですが、我々は国会の答弁から、想定問答から始まっているので、朝早いのはいいのですが、どうしても国会中心に対応が決まっていくことが多いですね。

一日予算委員会に呼ばれると、午前中3時間、午後4時間とかですね。それが終わってから、政府のいろいろな会議、お昼までにセットしたりとか続きますね。同僚の政治家からのいろいろな報告が入ったり、役所からの調整事項の相談があったり。意外と官邸にいると、海外からのお客様が多いです。出張も月に1回位ありましたが、480日間総理大臣をやっているときに、161回、官邸で海外の要人と会っているんです。

ということは、3日に1回は会うのですね。夕食会なども含めて。そういうスケジュールが夜まで続く、ということですね。

インタビュアー:
睡眠時間はどれぐらいですか。

野田氏:
睡眠時間は取らないと判断力が鈍りますから、5時間~6時間はきちんと取るようにしますけど、寝ていても一番苦労するのは危機管理の仕事です。これは、いつ入ってくるか分からないです。境界侵犯があったり、異常気象で大雨の被害がひどいなど、随時入ってきますので。

インタビュアー:
分刻み・秒刻みのスケジュールレベルで。

野田氏:
分刻みでしたね。

インタビュアー:
政治家さんは本当に大変だなあと思っていて、仕事が尋常ではないぐらいあって、毎日どういうことを考えて生きておられるのでしょうかというのが素朴な疑問としてあるのですが、毎日すごい勢いで過ぎていくと思いますが、480日間はどのようなものでしたか。

野田氏:
一日一日分刻みのスケジュールでしたし、激動でしたよね(笑)。海外へ行っても、国会が大事ではないですか。説明責任がありますから。海外へ出たとしても、例えば、メキシコのロスカボスでG20があった時も、1泊4日とかね。行って帰ってくるだけなのですけど、高速移動だけでも大変ですね。そういうことの繰り返しですね。

インタビュアー:
海外でのんびりしたいとかいうのも

野田氏:
ないですね。 (テキスト提供:THE NEW CLASSIC [ニュークラシック]
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