2014年12月2日 東京「私設 論説室から」に、長谷川幸洋氏が「『増税派なぎ倒し解散』だ」
東京の「私設 論説室から」に、長谷川幸洋氏が「『増税派なぎ倒し解散』だ」を書いている。
「総選挙があす公示される。私は今回は『増税派なぎ倒し解散』とみる。理由は簡単だ。安倍晋三首相が増税先送りを決断し、同時に衆院解散に打って出たら、自民党内の強硬な増税派はもとより、民主党までが雪崩を打って先送り容認に方針転換してしまった。
あらゆる世論調査で国民の7割が増税に反対する中、選挙カーの上から『断固として増税すべきだ』などと訴えたら、当選がおぼつかなくなるからだ。これが『オポチュニズム(日和見主義)』でなくて何なのか。
増税派は与野党に深く根を張っていた。表と裏の舞台で永田町を走り回る財務省の力は並大抵ではない。マスコミも東京新聞以外は、ほとんど増税賛成だった。
解散という伝家の宝刀を抜かずに先送りしようと思ったら、大政局になったのは間違いない。結局、増税に追い込まれ、政権が崩壊してもおかしくなかった。
『増税延期なら日本が信認を失って国債が大暴落する』という増税派の宣伝文句はうそだった。国債価格は暴落どころか上昇(長期金利は下落)している。株価も上がった。
政府が選んだ有識者は7割が増税賛成だった。世論と正反対だ。永田町と霞が関に任せていたら、賛成論が大勢になっただろう。決まっていた増税路線を修正し、解散によって有識者ではなく国民に選択を委ねる。それが今回の解散の大義である」。
「増税派なぎ倒し解散だ」は、正鵠を突いている。今回の解散の大義そのものである。国民に再増税先送りの是非を聞くことが、である。財務省の暴走を止めるためにである