2014年9月24日 産経「景気判断を下方修正」「消費増税延長論、政府内くすぶる」「『景気配慮』『財政重視』駆け引き激化」

産経に「景気判断を下方修正」「消費増税延長論、政府内くすぶる」「『景気配慮』『財政重視』駆け引き激化」が書かれている。

政府は19日発表した9月の月例経済報告で、景気の基調判断を『一部に弱さも見られる』として『消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある』とした8月の判断から下方修正した。増税や天候不順の影響により個人消費の不振を反映した。基調判断の引き下げは5カ月ぶり。

7~9月期の景気は安倍晋三首相が来年10月に消費税率を予定通り10%に引き上げるかを決めるための最大の判断材料となる。政府・与党内では予定通りの引き上げを求める声が大勢だが、景気影響を見据えた先送り論もくすぶり始めた。景気と財政再建の両面に配慮しながら、どう再増税の道筋を描くのか。政権の決意が試されている。

『消費が弱含みで推移している』。甘利明経済再生担当相は19日の記者会見で足元の消費の弱さをこう率直に認めた。雇用・所得環境に改善なども考慮し、景気は『緩やかな回復基調が続いている』との見方は維持したものの、耐久財を中心に消費関連の指標は芳しくない。

8月の新車販売台数は前年同月比9・5%減と消費増税直後の4月(5・1%減)よりも悪化。8月の首都圏マンション発売戸数も49・1%減と大幅な落ち込みとなった。

首相は7~9月期の国内総生産を基に平成27年10月に消費税率を10%に引き上げるかの可否を判断する。だが、肝心の景気は夏場の天候不順が追い打ちをかけ減速懸念を強めつつある。経済協力開発機構(OECD)も消費税増税後の需要減が予想以上だったとして、15日、26年の実質経済成長率見通しを従来の1・2%から0・9%に下方修正した。

こうした中、首相周辺では、再増税を巡って『景気配慮で先送り』か「財政重視で予定通り』かの駆け引きが激しくなってきた。

延期論の急先鋒は首相ブレーンの本田悦朗内閣官房参与。産経新聞の取材に対し『7~9月期に消費も投資も伸びたと確信が持てなければ、やめた方がいい』と語り、最低半年間の増税延期を選択肢に入れる必要性を説く。菅義偉官房長官も慎重姿勢を崩さない。

一方で、『財政規律』を重んじる政府・与党幹部からはこうした延期論をけん制する形で、予定通りの実施を求める声が相次ぐ。自民党の谷垣禎一幹事長は18日の日本商工会議所の会合で『(税率の)再引き上げは自明のこと』と強調。麻生太郎財務相や日銀の黒田東彦総裁も、再増税を先送りした場合の金利急騰リスクに触れ予定通りに税率引き上げを強く主張している。

だが、現時点の経済指標から見る限り、景気回復の動きは鈍く、再増税への慎重論が年末に向け勢いづいてもおかしくない情勢だ。このため、財務省は再増税に向けた景気対策として補正予算編成の検討に着手。内閣府も、経済界や労働団体を集めた『政労使会議』を近く再開させ、賃上げの継続を促す構えなど、政府は景気のテコ入れに動き出している。

もっとも、経済対策をいくら講じてもリスクを封じ切るのは困難だ。安倍首相も19日の都内の講演で『増税によって景気が悪化し、税収もままならないようなことであれば元も子もない』と述べ、再増税の可否に揺れる複雑な心情を漏らした」。

政府は、9月の月例経済報告で、景気の基調判断を「一部に弱さも見られる」として、8月の判断から下方修正した。基調判断の引き下げは5カ月ぶりである。これにより7~9月期の国内総生産(GDP)のⅤ字回復は、困難となった。8月の新車販売台数が前年同月比9・5%減と、消費税増税直後の4月(5・1%減)よりも悪化。8月の首都圏マンション発売戸数も49・1%減と大幅な落ち込みとなっている。明らかな景気減速である。財務省もこの事実を認め、再増税に向けた景気対策として補正予算の検討に着手した。

問題は、景気対策としての公共事業が、景気のテコ入れにならないことである。人手不足から未着工額が16兆円も膨れ上がっているからである。景気対策ならずである。最大の景気対策は、再増税先送りとなる。安倍首相も19日の都内の講演で「増税によって景気が悪化し、税収もままならないようなことであれば元も子もない」と、再増税先送りの覚悟を示している。あとは与党内を谷垣幹事長が、再増税先送りでまとめられるか、である

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