2014年4月16日 読売「政治の現場」「1強の内実」 ①に「改造長期政権の試金石」

読売の「政治の現場」「1強の内実」①に「改造長期政権の試金石」が書かれている。

「安倍首相は今夏、2012年12月の第2次安倍内閣発足後、初の内閣改造に踏み切る考えだ。集団的自衛権をめぐる憲法解釈の見直しや原発再稼働、さらなる消費増税の可否の判断と多くの難題が待ち受ける中、政権基盤を強化することはできるのか。人事に向けて動き始めた与党と内閣の駆け引きの舞台裏を探る。

4月9日夜、安倍は自民党の脇雅史参院幹事長ら参院幹部を首相公邸に招き入れ、酒食を共にした。『組閣の写真を撮ろう』宴席が終わりに近づくと、誰からともなくそんな声が上がり、出席者全員で記念撮影に興じた。安倍を中心に、隣に『副総理』の脇、『女性閣僚』としては三原じゅん子党女性局長が一緒にカメラに納まった。安倍が今国会閉会後に内閣改造に踏み切る考えを明言したのは、2月28日。やはり自民党参院議員との会食の席上だった

安倍が参院に気を配るのは、宿願でもある集団的自衛権の憲法解釈見直しをけん制する声が参院に多かったためだ。安倍は2月18日、首相公邸にひそかに石破茂幹事長を呼び、憲法解釈見直しの党内論議を始めるよう指示。20日には国会答弁で、解釈見直しは閣議決定で対応する方針を表明した。

これに対し、解釈変更に慎重とされる野田聖子総務会長は翌21日、党内を二分した郵政民営化論議以来、9年ぶりとなる党総務懇談会を開く考えを表明。参院でも『慎重に進めるべきだ』との声が相次いでいた。

人事に踏み切る方針は、まさに解釈見直し論議が党内で火を噴く直前に表明された。その後、安倍に近い高村正彦副総裁は『限定容認論』を提唱。一部のベテラン議員をのぞいて慎重論は下火になった。安倍は周辺に『<人事カード>がうまく効いた。毎月1人ずつ閣僚を代えるようにすれば、求心力をずっと保てるかな』と軽口を飛ばしている。しかし、内閣改造は政権基盤を危うくする可能性も秘めている。

第2次安倍内閣は、閣僚が1人も交代しないまま、4月12日に発足473日を迎えた。閣僚が1人も交代しないケースは、1965年に発足した第1次佐藤改造内閣(425日間)を超えて戦後最長を更新中だ。発足当初は危なっかしく見られていた新米閣僚の答弁も今は安定している。安倍の盟友である麻生太郎副総理・財務相は『人事をすれば、外された人と入れなかった人に不満がたまる。できるだけやらない方がいい』と安倍に進言している。

一方で、自民党内では衆院当選5回以上で閣僚経験のない議員が43人に上る。安倍は『できれば代えたくない』と漏らすが、党内の不満を抑えるには、人事を行わざるを得ないのも事実だ。安倍は、忠誠を尽くす菅義偉官房長官や麻生ら主要閣僚を代えなければ、乗り切れると見ている。

安倍は第1次内閣で親しい議員を重用し、『お友達内閣』と批判された。閣僚不祥事も相次いだ。07年の参院選で惨敗後、内閣改造に踏み切ったが、新閣僚にも不祥事が発覚し、就任直後に辞任に追い込まれた。

派閥の推薦を受けず、『一本釣り』で人事を決める安倍は、夏の改造でもそうするとみられるが、派閥領袖からは『党の意向に目配りせずに人事をすれば、また失敗する』とけん制する声も出ている。改造は、安倍が長期政権を築けるかどうかの試金石となる」。

8月の内閣改造・党役員人事では、菅官房長官以外は全員代えるべきである。アベノミクス推進派にで、ある。麻生財務相、甘利経財相、田村厚労相、林農水相,石破幹事長は更迭である。

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