2026年7月3日 円安が止まらない
6月末に約40年ぶりの円安になる162円台にのった。要因はアメリカの利上げ憶測とも言われているが、日本自体の競争力低下を示したものであろう。
6月中旬にFRB連邦準備制度理事会が公表した政策金利見通しが、3月時点では利下げの見通しが大勢を占めていたが、後に利上げ派が12人中9人まで増えた事も円安要因である。アメリカの利上げを予測してユーロやポンド、オーストラリアドルに対してもアメリカドルは強くなっている。
ドル指数(主要通貨に対するアメリカドルの総合的強さを示す)も高水準で推移している。トランプ大統領は利下げを望んでいる為、一時期FRBは利下げ方向かと思われたが、どうやら方向性は利上げのようである。
日本銀行も利上げの方向性は出しているが、自らの首を絞める方向でもある為、FRBのような積極性には乏しい。
市場は日米金利差が縮まらないと予測しており、また日本側に円高になる要因が見当たらなく、当分円安圧力は収まらないと思われる。
過度な円安は企業にも影響を及ぼし、日本商工会議所の小林会頭は6月末の会見で「ちょっと行き過ぎで、非常に危機的な局面になった」と語っている。
海外展開が進んでいるグローバル企業にとっては追い風の部分はあるが、大半の中小企業はコスト増加で苦しんでいる。
円安の根本は国際競争力の低下である。1980年代後半かつての日本は自動車産業や家電製品で世界に存在感を示し、多額の貿易黒字を出してきた。その後、隣国中国や韓国などの台頭もあり、製造業・輸出共に低迷していった。
長期的な経済低迷による労働者賃金の伸び悩み、物価も伸びず。海外の方々からみれば「安い国日本」となっている。そこに人口減少、高齢化も加わり国際競争力向上の要件が見当たらない。
その状況で日本政府は6月末に「経済財政運営と改革の基本方針」の原案を示し、高市政権が進める「責任ある積極財政」の成長戦略に向けた新たな投資枠の創設などを盛り込んだ。原案では「強い経済の構築と財政の持続可能性をバランスよく同時に実現する」財政運営の中核は国・地方の総債務残高対GDPの安定的引き下げ。黒字化懸案であったプライマリーバランス(基礎的財政収支)は投資や景気変動に応じ一時的悪化も許容としている。お題目通リに進んでいくか見守りたい。

